カテゴリ: 宏樹庵便り

9月13日14日15日の3日間宇部でミュージックキャンㇷ゚が開催された。
宇部でのミュージックキャンプは2012年、それまで2000年から毎年開催していた岩国のミュージックキャンプに参加していた人に是非宇部でも開催してほしいと嘱望されて始まった。
コロナの年には中止をやむなくされ、また大型の台風が宇部を直撃するとの予報で急遽中止になった時もあったが、それ以外は毎年行われている。宇部には市民オーケストラがあり、山口には山口交響楽団があり、下関にも市民オーケストラがある。チェリストが多い。希望曲の中には毎回チェロカルテットが挙がり、過去にはチェリスト8人によるヴィラロボスの曲を取り上げたこともある。それは実に壮観だった。
今回もチェロカルテットでバッハのシャコンヌ、ウェルナーのエレジー、またチェロ3本とピアノによるポッパーのレクイエムとチェロが充実していた。
その他、船橋からの初参加の人がパガニーニのキャプリスやベートーヴェンのヴァイオリンソナタを弾いたり、岩国から初参加の米本一青がドヴォルザークのアメリカを弾いたりした。
一青は昨年10月からチェロを始めたばかりで、思い切った挑戦だったが何とか曲になった。一人だけ小学生だったので注目も浴びた。KRYの取材で「指の使い方などを教えていただきました。自分の演奏をいいなと思ってもらえるように頑張ります。」としっかり答えていた。第2ヴァイオリンしか弾いたことがなかった人がこの会に第1ヴァイオリンで参加するようになって高い音や、皆を引っ張っていく力を養い、とても上手になった人もいた。今回、目新しかった事は、三味線の参加者がいた事。以前から邦楽器も大切にしなければと思っていたが、今回初めて参加してくれて三味線とチェロとピアノで「さくらさくら」を演奏。やはりリズム感など洋楽器の人と違う事が感じられてよかった。
プログラムの最後は講師たちによるシューベルトのピアノトリオの2楽章。会場全体がこのしみじみとした音楽に包み込まれていたようだった。
参加者がそれぞれに自分の力を積み重ね、上達していく。今回は県内外から35人の参加者だったが、仲間として、不思議なことに、あまり異端者はいなくて個性はあるがまとまっている。
レッスンは13日と14日に俵田邸で行われたが、今年の猛暑で直前になってエアコンが壊れ、急きょスポットクーラーという大型の機械を借り入れたり、レッスン室を変更したり、スタッフは対応に追われた。どうにか熱中症で倒れる人は出ないで良かったが、大変だった。
13日のレッスン終了後と15日の演奏会終了後にはユースホステルで、鳥の丸焼きなど豪勢な手作りの料理を囲んで懇親会が開かれた。皆日頃あまりゆっくりとは話せなかった人ともワイワイと賑やかに楽しく過ごした。特に15日の夜は、料理の片づけが終わってもなお、ジャズを勉強したことがあるという高橋君が譜面なしで弾くピアノに、一青がチェロで即興で寄り添い、いつまでも弾いていた。
音を楽しむ人と人のつながり、AIではできない事をこれからも続けていきたい。


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宇部の音楽文化の基礎を築いた俵田寛夫氏のお写真のある部屋でのレッスン

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アメリカの演奏

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初参加の真衣ちゃんも堂々とパガニーニのキャプリスを弾く


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シューベルトのトリオ

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15日終演後の打ち上げ。もう皆が帰ったあとも弾いていた。

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楽譜も無いのによく弾けるなと思った。
こんな二人の音楽を通してのやり取りがいいな。




5月3日から5日にかけて岩国でミュージックキャンプ2025が開かれた。毎年開催されて今回26回目。
今回は2000年に始めた頃参加した人が子育てが終わってもう一度友人を連れて参加したり、和木町の先生のグループなど岩国近郊の参加者が9人で、最終日のコンサートはその家族や友人たちで賑わった。その反面、毎年参加していた東京の人たちが2月に横浜で散歩がてらのコンサートを始めた関係もあり、一人しか参加できなかった。しかし今後岩国の人たちが増えることは喜ばしいことと思う。
参加者は大津、福山、広島、山口などから30名、その家族も含めて43名。5月3日と4日は宏樹庵の石窯ピザやサンドイッチ、カレー、そしてバーベキューを楽しんで、レッスンは黒磯自治会館と宏樹庵2階で行われた。ドヴォルザークやシューマンのカルテットなどに加え、今回は外山雄三の「原爆を許すまじによる変奏曲」を重見、益、鈴木、高井のメンバーで、寺原伸夫の「五木の子守歌」を原、今澤(中1)、森脇(大1)、米本一青(小5)で演奏し、大変な好評を得た。一青は昨年までピアノでの参加だったが、昨年10月にチェロを始めて今回はチェロでの初参加となった。桜庭先生はグループレッスンの合間に個人レッスンも行い、一青は基本中の基本を叩き込まれて非常に有意義だった。
最終日の由宇文化会館での散歩がてらのコンサート終演後は宏樹庵にて懇親会があり、石井が最近積極的に取り組んでいる谷川俊太郎作詞の「死んだ男の残したものは」を参加者それぞれがリレー式に演奏し、最後には全員での合唱になって大いに盛り上がった。戦争を起こしても何も残らないことをキャンプの参加者全員が心に刻み込んでくれたことを祈る。

クレマチスの大きな花が会を見守っていた。


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石窯で焼くピザ。焼くのは宏二郎


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宏二郎が焼いたパンにたっぷり挟んだ卵


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ほのかが書いてくれたお昼のメニュー


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石井が4日間かけてくず野菜などを煮込んだカレー


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大きな鯛のアクアパッツァ

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いつものかがり火

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ツリーハウスで練習する子

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桜庭先生の個人レッスン

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五木の子守歌

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モーツァルトディベルティメント

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原爆を許すまじによる変奏曲

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シューベルトピアノ三重奏曲

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懇親会。今回は2000年に参加していた参加者が久しぶりに来て本番では弾かなかったがここでみんなと一緒に。

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晴香と絢香も1曲

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3月30日午後2時よりシンフォニア岩国多目的ホールにて石井啓一郎ファミリーコンサートが開催された。
世界各地で戦争が激しさを増している今、20.21世紀を代表する日本の作曲家外山雄三のヴァイオリンとピアノのためのソナタ第2番を中心にプログラムが組まれた。この曲は私達のために外山雄三氏が書いてくれた曲なのだが、彼は常に反戦の地に足軸を置いた人だった。昨年亡くなった谷川俊太郎の詩に武満徹が曲を付けた「死んだ男の残したものは」も演奏した。これはベトナム戦争の時書かれた、戦争でいろいろな人が死んでも何も残せなかったと言う意味の詩。ヴァイオリンとピアノだけで言葉はなかったけれどアンケートには良かったに丸がたくさん付いていた。陽子のフルートの曲は通りゃんせ、荒城の月。お城に地所を取られてお参りに行けなくなってしまった神社に七五三の時だけ通してもらうと言う通りゃんせ。アレンジでフルートを途中でピッコロに持ち替える部分があり、ピッコロと言えばオーケストラでも特に高い音をピーヒャラ吹くイメージなのだが、この曲の中ではしっとりとした切ない旋律を吹き、こんなピッコロの音は初めて聴いたと言うお客さんも複数いた。
130人余り来て下さったお客さん、トークを交えて少し長めの演奏会になってしまったが喜んで下さったようだった。
来年は3月29日にこのコンサートは開催されるが、その頃にはウクライナには平和が訪れているだろうか。
オデッサなどウクライナからは世界のトップを行く多くの芸術家が生まれている。ヴァイオリニスト オイストラフ、ミッシャ.エルマン、レオニード.コーガン、アイザック.スターン、ミルシュタイン、ピアニスト ギレリス、ホロヴィッツ、リヒテル、ホルショフスキー(彼が95歳!で来日してお茶の水のホールでリサイタルを開いた時、私は聴きに行った。大変美しい音楽だった)チェリスト ピアティゴルスキーや作曲家のプロコフィエフ、カプースチンもウクライナの人。
美しい都が破壊されませんように切に願う。
そして、子供達が夢を持てますように‼️

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外山雄三編曲 宵待草

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通りゃんせではフルートをピッコロに持ち替えて

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ショスタコーヴィチの小品を3人で

2016年に岩国西ロータリークラブ主催で岩国市内の中学校を訪問し、前半は癌予防の講演、後半石井啓一郎啓子による演奏会を開催することが決まった。その年の10月、まず岩国中学校と麻里布中学校を訪れた。演奏時間は1時間で、ソナタや小品、それにお話しも交えて大変好評だった。それから毎年、次々と市内の中学校を訪れた。
しかし2020年コロナの蔓延で途絶えた。
2022年に再開。岩国市内の中学校はほぼ全部訪問したということで今年は再び岩国中学校へ。
岩国中学校は近隣の生徒数が少なくなった柱野中学校や藤河中学校も統合したので生徒数が現在550人余り。遠くからはスクールバスで通ってくる子もいるそうだ。
今回はブラームスのハンガリア舞曲やバスク綺想曲などの他に、今年亡くなった谷川俊太郎の詩に武満徹が曲を付けた「死んだ男の残したものは」も演奏した。これはベトナム戦争の時の詩だが、今、ウクライナやイスラエルで起こっている戦争にも通じるものがある。戦争は決して初めてはならないというメッセージ。生徒には詩をプリントして配った。ヴァイオリンの演奏では歌詞は無いが、どれほど伝わったか。
今年、日本原水爆被害者団体協議会がノーベル平和賞を受賞した。核兵器は決して二度と使ってはならないのに今、核の使用をほのめかす国も出てきている。そういう、正に危機感を感じるからこその受賞だと思う。日本の非核三原則も揺らいでいる。
演奏を続けていく中で、起こしてはならない戦争のことも言い続けられたらと思った。

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8月24日(土)午後5時より宏樹庵にて「馬頭琴とホーミーの自然の調べ」という演奏会が開かれた。
主催は、奏&想&創と自然の調べ実行委員会。30人限定でスタッフを含めて36~37人が座布団や椅子に座り宏樹庵の2階は人で埋まった。演奏者の背後には宏二郎の錦川の朝もやの絵が配され、そのほかにも部屋のあちこちに絵が展示されて、音楽と絵のコラボとなった。
岡林立哉さんは高知県在住の人で、各国の音楽祭への出演や全国でソロ活動を展開している演奏家。馬頭琴はモンゴルの民族楽器で、ヴァイオリンでいうネックの部分に馬の頭の彫刻が取り付けられている。弦は馬の尻尾の毛を束ねたもの2本、弓の毛も馬の毛。胴体は一般的には木製の箱だが、岡林さんの楽器には羊の皮が張られていた。大変素朴な優しい音がする。ホーミーとは人間のだみ声のような音の上に、裏声のような高い音を同時に発声し、2つの旋律を一人の人が同時に出す不思議な声法だった。モンゴルでも西の方の地域にしか残っていない声法だそうだ。
岡林さんは約1時間半にわたって、メロディがはっきりしている曲、もやもやとした風の流れのような曲、いろいろな曲を弾いては間にモンゴルとはどういう所か、人々の生活、馬との付き合い方などを話してくれた。台地に灯りが少ないので星は大変美しいそうだ。話を聞いて、音楽を聴いて、宏二郎などはモンゴルに行きたくなったようだった。
終演後、取り寄せたお弁当をみんなで食べながら、そこでも話がはずんだ。
ゆるやかな空気が流れた夕べだった。
竹やぶの小径にはろうそくが灯されてお帰りのお客様を見送った。


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主催者の石井由紀さん。開演前の挨拶

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馬頭琴の優しい音色が宏二郎の絵とともに部屋に流れる

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話をされる岡林さん

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竹やぶの小径のろうそく

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