カテゴリ: 宏樹庵便り

5月3日から5日にかけて岩国でミュージックキャンプ2025が開かれた。毎年開催されて今回26回目。
今回は2000年に始めた頃参加した人が子育てが終わってもう一度友人を連れて参加したり、和木町の先生のグループなど岩国近郊の参加者が9人で、最終日のコンサートはその家族や友人たちで賑わった。その反面、毎年参加していた東京の人たちが2月に横浜で散歩がてらのコンサートを始めた関係もあり、一人しか参加できなかった。しかし今後岩国の人たちが増えることは喜ばしいことと思う。
参加者は大津、福山、広島、山口などから30名、その家族も含めて43名。5月3日と4日は宏樹庵の石窯ピザやサンドイッチ、カレー、そしてバーベキューを楽しんで、レッスンは黒磯自治会館と宏樹庵2階で行われた。ドヴォルザークやシューマンのカルテットなどに加え、今回は外山雄三の「原爆を許すまじによる変奏曲」を重見、益、鈴木、高井のメンバーで、寺原伸夫の「五木の子守歌」を原、今澤(中1)、森脇(大1)、米本一青(小5)で演奏し、大変な好評を得た。一青は昨年までピアノでの参加だったが、昨年10月にチェロを始めて今回はチェロでの初参加となった。桜庭先生はグループレッスンの合間に個人レッスンも行い、一青は基本中の基本を叩き込まれて非常に有意義だった。
最終日の由宇文化会館での散歩がてらのコンサート終演後は宏樹庵にて懇親会があり、石井が最近積極的に取り組んでいる谷川俊太郎作詞の「死んだ男の残したものは」を参加者それぞれがリレー式に演奏し、最後には全員での合唱になって大いに盛り上がった。戦争を起こしても何も残らないことをキャンプの参加者全員が心に刻み込んでくれたことを祈る。

クレマチスの大きな花が会を見守っていた。


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石窯で焼くピザ。焼くのは宏二郎


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宏二郎が焼いたパンにたっぷり挟んだ卵


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ほのかが書いてくれたお昼のメニュー


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石井が4日間かけてくず野菜などを煮込んだカレー


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大きな鯛のアクアパッツァ

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いつものかがり火

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ツリーハウスで練習する子

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桜庭先生の個人レッスン

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五木の子守歌

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モーツァルトディベルティメント

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原爆を許すまじによる変奏曲

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シューベルトピアノ三重奏曲

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懇親会。今回は2000年に参加していた参加者が久しぶりに来て本番では弾かなかったがここでみんなと一緒に。

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晴香と絢香も1曲

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3月30日午後2時よりシンフォニア岩国多目的ホールにて石井啓一郎ファミリーコンサートが開催された。
世界各地で戦争が激しさを増している今、20.21世紀を代表する日本の作曲家外山雄三のヴァイオリンとピアノのためのソナタ第2番を中心にプログラムが組まれた。この曲は私達のために外山雄三氏が書いてくれた曲なのだが、彼は常に反戦の地に足軸を置いた人だった。昨年亡くなった谷川俊太郎の詩に武満徹が曲を付けた「死んだ男の残したものは」も演奏した。これはベトナム戦争の時書かれた、戦争でいろいろな人が死んでも何も残せなかったと言う意味の詩。ヴァイオリンとピアノだけで言葉はなかったけれどアンケートには良かったに丸がたくさん付いていた。陽子のフルートの曲は通りゃんせ、荒城の月。お城に地所を取られてお参りに行けなくなってしまった神社に七五三の時だけ通してもらうと言う通りゃんせ。アレンジでフルートを途中でピッコロに持ち替える部分があり、ピッコロと言えばオーケストラでも特に高い音をピーヒャラ吹くイメージなのだが、この曲の中ではしっとりとした切ない旋律を吹き、こんなピッコロの音は初めて聴いたと言うお客さんも複数いた。
130人余り来て下さったお客さん、トークを交えて少し長めの演奏会になってしまったが喜んで下さったようだった。
来年は3月29日にこのコンサートは開催されるが、その頃にはウクライナには平和が訪れているだろうか。
オデッサなどウクライナからは世界のトップを行く多くの芸術家が生まれている。ヴァイオリニスト オイストラフ、ミッシャ.エルマン、レオニード.コーガン、アイザック.スターン、ミルシュタイン、ピアニスト ギレリス、ホロヴィッツ、リヒテル、ホルショフスキー(彼が95歳!で来日してお茶の水のホールでリサイタルを開いた時、私は聴きに行った。大変美しい音楽だった)チェリスト ピアティゴルスキーや作曲家のプロコフィエフ、カプースチンもウクライナの人。
美しい都が破壊されませんように切に願う。
そして、子供達が夢を持てますように‼️

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外山雄三編曲 宵待草

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通りゃんせではフルートをピッコロに持ち替えて

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ショスタコーヴィチの小品を3人で

2016年に岩国西ロータリークラブ主催で岩国市内の中学校を訪問し、前半は癌予防の講演、後半石井啓一郎啓子による演奏会を開催することが決まった。その年の10月、まず岩国中学校と麻里布中学校を訪れた。演奏時間は1時間で、ソナタや小品、それにお話しも交えて大変好評だった。それから毎年、次々と市内の中学校を訪れた。
しかし2020年コロナの蔓延で途絶えた。
2022年に再開。岩国市内の中学校はほぼ全部訪問したということで今年は再び岩国中学校へ。
岩国中学校は近隣の生徒数が少なくなった柱野中学校や藤河中学校も統合したので生徒数が現在550人余り。遠くからはスクールバスで通ってくる子もいるそうだ。
今回はブラームスのハンガリア舞曲やバスク綺想曲などの他に、今年亡くなった谷川俊太郎の詩に武満徹が曲を付けた「死んだ男の残したものは」も演奏した。これはベトナム戦争の時の詩だが、今、ウクライナやイスラエルで起こっている戦争にも通じるものがある。戦争は決して初めてはならないというメッセージ。生徒には詩をプリントして配った。ヴァイオリンの演奏では歌詞は無いが、どれほど伝わったか。
今年、日本原水爆被害者団体協議会がノーベル平和賞を受賞した。核兵器は決して二度と使ってはならないのに今、核の使用をほのめかす国も出てきている。そういう、正に危機感を感じるからこその受賞だと思う。日本の非核三原則も揺らいでいる。
演奏を続けていく中で、起こしてはならない戦争のことも言い続けられたらと思った。

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8月24日(土)午後5時より宏樹庵にて「馬頭琴とホーミーの自然の調べ」という演奏会が開かれた。
主催は、奏&想&創と自然の調べ実行委員会。30人限定でスタッフを含めて36~37人が座布団や椅子に座り宏樹庵の2階は人で埋まった。演奏者の背後には宏二郎の錦川の朝もやの絵が配され、そのほかにも部屋のあちこちに絵が展示されて、音楽と絵のコラボとなった。
岡林立哉さんは高知県在住の人で、各国の音楽祭への出演や全国でソロ活動を展開している演奏家。馬頭琴はモンゴルの民族楽器で、ヴァイオリンでいうネックの部分に馬の頭の彫刻が取り付けられている。弦は馬の尻尾の毛を束ねたもの2本、弓の毛も馬の毛。胴体は一般的には木製の箱だが、岡林さんの楽器には羊の皮が張られていた。大変素朴な優しい音がする。ホーミーとは人間のだみ声のような音の上に、裏声のような高い音を同時に発声し、2つの旋律を一人の人が同時に出す不思議な声法だった。モンゴルでも西の方の地域にしか残っていない声法だそうだ。
岡林さんは約1時間半にわたって、メロディがはっきりしている曲、もやもやとした風の流れのような曲、いろいろな曲を弾いては間にモンゴルとはどういう所か、人々の生活、馬との付き合い方などを話してくれた。台地に灯りが少ないので星は大変美しいそうだ。話を聞いて、音楽を聴いて、宏二郎などはモンゴルに行きたくなったようだった。
終演後、取り寄せたお弁当をみんなで食べながら、そこでも話がはずんだ。
ゆるやかな空気が流れた夕べだった。
竹やぶの小径にはろうそくが灯されてお帰りのお客様を見送った。


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主催者の石井由紀さん。開演前の挨拶

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馬頭琴の優しい音色が宏二郎の絵とともに部屋に流れる

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話をされる岡林さん

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竹やぶの小径のろうそく

今年の夏休みは来訪者が特に多かった。
まず7月26日にほのかが一人で飛行機に乗ってやって来た。8月2日~20日一真、8日~13日桜家族(母と子供3人)7日~13日弘介、陽子、晴香、絢香(絢香は20日まで)、10日~12日美維、優輔、10日~17日和歌子と子供2人。なんと重なる日は泊り客総勢16人!!! 昼間は秋吉台や海に行ったりしているが夜は帰って来て宏二郎達も加わるので20人分のバーベキュー、カレー、散らし寿司、餃子、ハンバーグなど食材の買い出しや調理に私は忙しかった。布団は宏樹庵にある布団でどうにか足りたが、全部干さなければならなかった。幸い、みんなが来る前はずっとお天気が良かったので毎日少しずつ干せて助かった。
弘介と美維ちゃんたちはミュージックキャンプの仲間で、夏宏樹庵に来るのは初めて。晴香が勉強を教えてもらうという目的で、晴香自身が弘介や美維ちゃんと連絡を取り合って日程その他を自分で決めた。宏樹庵には人が溢れているので幸明館を7日から13日まで借りて、机を運び込みそこで勉強。その成果が夏休みが終わっても続くことを祈って。
バーベキューの時、晴香は広島風お好み焼きを焼いてくれた。何枚も焼くので暑くて顔を真っ赤にしながらも、とても上手に焼けてみんな大満足だった。美維ちゃんが帰る前の日、勉強ばかりでどこにも行ってないから錦帯橋に行きたいと言い出す。車は他の人が使っていたので藤生から岩国まで電車で行き、そこからバスで錦帯橋まで行った。
晴香が大宮に帰ってからだったが、残ったみんなで宮島に行きぶらぶら食べ歩きを楽しんだ後、藤生の海岸で送り火をやるというのを聞きつけて見に行った。昔からのお盆の最後の行事だそうだ。わらで作った親船を中心に、海岸に小舟をいくつも並べて火を点けると大変美しかった。豪快な程の火の勢いだった。
一真は昨年も来た学校へ行けてない問題児。宏樹庵に来た当初はゲームばかりしているので筋力がないためちょっとした薪も持ち上げられなかった。頭の中もゲームのようにピカピカ思考がめぐるのか、分かったと思ってもすぐに分からなくなる。それを石井は根気よく毎日鍛えて、少し重いものも運べるようになり、詩も覚えられるようになった。身体に染み付いた事を変えるのは大変な事だが、何としても変わってほしい。
晴香は受験生。行きたい学校に行けますように!

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講師の山大生らと共に
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バーベキューの最後はマシュマロ焼き
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晴香、手際よくお好み焼きを焼く
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錦帯橋
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送り火の親船
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送り火

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