10月11日(火)午後7時より旭川市のホール木楽輪(きらりん)にて石井啓一郎&石井啓子リサイタルが開催された。主催は石井啓一郎&石井啓子リサイタル実行委員会。



木楽輪は元は木造館と呼ばれていた。この地方のエゾマツやカラマツをふんだんに使って美しい曲線を描くホールは大変よく響く。会場に午後3時前に入り練習し始めた時、ちょっと響きすぎて戸惑った。カーテンを閉め、ピアノのコントロールにも徐々に慣れ、ようやく落ち着いてきた。



岩国では10月に入ってからも30度近くまで気温が上がり暑かった。旭川へ出発する日の朝やっと涼しくなった。天気予報で旭川の最低気温5度と報じられていたのでコートやスカーフなど用意したが、寒くても部屋の中は暖かいのだからと安心していた。ところが、寒くなって家庭ではストーブが手放せなくなったのに、公共施設にボイラーが入るのは11月になってからだそうで、ホール内には暖房無し!袖のないドレスなのにどうしよう。急きょ、ホールの中にあった古い暖房機のスイッチを入れる。しかし久し振りにスイッチを入れたためか初めなかなか点灯しなくて係の人は慌てていた。やっと点いてホール内は暖かくなってきた。でも楽屋が寒い。スタッフが暖かいお茶を買ってきてくれたり、隣りの公民館から電気ストーブを借りて来たりしてくれた。地元の人も「秋を感じる間もなく冬!」と言うほどの急な気温の下がり方だった。



お客さんは80人余り。ホールも広くはないのでそれでいっぱいに見えた。旭川で二人でコンサートを始めて丁度今回で20回目。ずっと事務局長を務めてくれたN氏は今年自分の会社をたたみボランティア的な仕事に携わるようになって結構忙しいらしい。足腰も痛いと言っている。まだまだ石井啓一郎啓子の演奏を聴きたいが誰か代わりに手を挙げてくれる人がいれば全面的に応援はすると話していた。



終演後は老舗のスナック「アドリブ」にて集う会。ご主人が重い病に臥せっている時石井が枕元で「愛の哀しみ」を弾いて以来、大の石井ファンになったママ。当夜は急な病気で来れなかった。お店はママがいなくても娘たちが引き継いでいるので開けられたが会いたがっていたママに娘がスマホをつなぎっぱなしにしておいて石井の演奏を聴かせた。電話の向こうでママが喜んでいるのが感じられた。また、今回はその娘の娘が自分の仲間を連れてお店に来ていた。若い人達に期待したい。



だが、来年の開催への手がかりを少しつかみつつ、確約できないままその晩は別れた。



 



街路樹ナナカマドの実が美しく色づいていた。



 



プログラムアドリブにて



 



旭川駅裏



JR旭川駅の裏側 きれいに整備された公園になっている