6月4日京都 7日東京でのリサイタルが無事終了した。
病気がちだったガリアーノ、京都のリサイタルの直前にとうとう魂柱が倒れた。急遽宇部の秀太郎の所へ駆け込んで診てもらった。新しい魂柱に替えて、立てる場所も石井が弾きながら調整。その結果は、石井が魂柱が倒れてむしろ良かった。そうでなければあの調整は出来なかったのだから。と喜んだ程だった。
京都のホールは良く響く。客席で私が聴く限り、シンフォニア岩国の時のような惨めな感じではなかった。
それから3日。フラジオが出にくかったり、何だか無理して音を出している…昔のような豊潤な音が出ないと感じる。
コルンゴルトの小品に始まってシューベルトのソナチネ、クライスラーの小品4曲とリサイタルにしては聴きやすい曲が前半に並ぶ。後半はウェーベルンの研ぎ澄まされた音のみで構築された4つの小品とシューベルトの幻想曲。音楽の美しさは出せたと思った。
いつもの店で打ち上げ。こっそりA氏に聞いた。ヴァイオリンの音はどうだったかと。充分楽しめたけど、以前の音を知っているので今一つと言う。秀太郎の師匠も聴きに来ていた。10日、ガリアーノを持って彼の所へ行った。調整1時間余り、魂柱の長さを少し削って立てる位置も変えた。そのお陰で、嬉しい事にガリアーノの音が戻った!
秀太郎の師匠は素晴らしい!

それと今回アンコールにはシューベルトの「楽興の時」を考えていた。
元はピアノの曲で簡単な曲なのだが、クライスラーが編曲して洒落た曲になっている。これがクセ物だった。素敵な曲なのにものすごく難しいと、石井は京都に発つ3日の最後の最後までその曲を練習していた。京都では何とか弾いたが、東京ではもう弾かないと言って別の曲にした。
「楽興の時 Moment musical 」幻の曲となった。いつの日にか聴いてもらえるかもしれない。待っていて欲しい。