畑にニョキニョキとアスパラが伸びてきた。
植えたのは昨年で、昨年も細い茎が伸びてきたが、食べるには細すぎてすぐにふわふわの葉になった。
今年はひょっとしたら食べられるかもしれないと期待していた。
3日くらい前に頭を出したのは立派な太っちょさんで、他にもあちこちに生えてきた。あらあらと思う間に背高のっぽさんになったのもある。
4月10日。石井の67歳の誕生日だった。
初めて収穫したアスパラを七輪で焼いて食べた。
「うっ、これ、何?」
そして、そのあと二人で笑いが止まらなかった。柔らかくて、甘くて、しっかりとした味。
「これは北海道のアスパラに匹敵するね!」
「いや、それ以上かもしれない。」
美味しいものを食べると幸せになる、とはこの事だと感じた。
このアスパラを食べて本当にそう思った。幸せ。
その日は、アスパラのほかに採れたての人参、竹の子、新玉ねぎ、長ネギも焼いた。みんな畑やそこら辺のもの。
竹の子の季節になって、あちこちに竹の子が顔を出している。子供たちにも送ろうと思うが、それでも食べきれない。誰か、簡単に家で保存できる方法を考えてくれないだろうか。

それにしても、あのアスパラの味にはびっくりした。
畑はまず土作りと言う。ところが、あの畑に初めて野菜を植えようとした時、あまりに土が悪いのにびっくりした。土がガチガチボロボロなのだ。あの畑は私達が帰ってくる前には人に貸していて、その人はそれはそれは丁寧に野菜を作っていた。それなのに、である。その人の畑はいつも整然としていて、雑草一つ生えていないきれいな畑だった。育つ野菜もいろいろな種類がきれいに並んでいた。多分、化学肥料で美しく育てていたのだろう。私達は土作りから根本的にやり直さなければならなかった。耕運機が大活躍し、土を深さ50センチ以上掘り返して牛糞や木の葉を混ぜ、やっと黒々した土になってきた。
これからも畑の野菜たちに幸せをもらおう。

アスパラ
伸びてきたアスパラ、その向こうに玉ねぎも。
竹の子
あちこちに竹の子
力持ち
家の入口のアスファルトを押し上げて顔を出した竹の子も。
人参
人参はこれ以上畑に置いておくと固くなるので全部収穫。
こんなにたくさん人参を作るようになったのは、元は妹に新鮮な人参ジュースを飲ませたかったから。
妹はうちの人参を待てなくてお空に行ってしまいました。
濡縁で
例によって濡縁の七輪で。