昨年12月24日、東京文化会館小ホールにて石井啓子アンサンブルシリ-ズが開催された。
今回25回目。始めてから四半世紀に及ぶと思うと感慨が深い。
また今回は9月の準備段階から妹の病状が悪化し、私は鹿児島の病院に付きっ切りで、地元の音楽教室の先生のご好意で夜部屋をお借りして練習させていただいたが充分な時間はなく、切羽詰った状態で迎えた演奏会だった。
林光氏が昨年急逝され、それを悼む意味で前半はピアノ五重奏曲「ラッキードラゴン・クインテット」、ヴァイオリンとピアノのためのラプソディ、フルートとピアノのためのソナタというプログラムだった。ヴァイオリンに石突美奈、フルートに陽子を起用し、若い人たちはとても頑張ってくれた。特に陽子は難しいリズムの曲を見事に暗譜で吹ききり、盛大な拍手を浴びた。
プログラムには「dem Andenken eines Engels M.Y.」という横文字を入れさせてもらった。ある天使の思い出という意味で、M.Y.は妹米本路子のイニシャル。天使というには少し大きくなりすぎたが、心は天使のようであった。林光と共に妹の追悼の演奏会となった。
後半はドヴォルザークのピアノ五重奏曲。美しく、ろうろうとしたチェロの歌で始まるこの曲は、私の好きな曲の一つだ。風になった妹も聞いていてくれるだろうと心を込めて演奏した。
今、この演奏会のライブ録音のCDの販売注文を受け付けている。ご希望の方は啓&啓倶楽部のメールアドレスまでご連絡ください。

kayishii0410@ybb.ne.jp    (2枚組3000えん)