1月30日に八ヶ岳の外山雄三先生宅へ二人で伺い、3泊4日した。
最低気温マイナス20度の極寒を体験したくてこの時期にしたのに、確かに野辺山駅では最低気温マイナス16度の日もあり、外山先生のお家はそれより更に車で40分、標高500メートルくらい登った所なのでマイナス20度近くにはなったのだろうが、ずっとお天気が良くて雲ひとつない青空が続き、午前8時頃には大きな窓からまぶしいほど燦々と光が射して、暖炉を燃やさなくても床暖房だけで部屋の中はぬくぬくと大変暖かかった。外へ出ると新鮮な空気が美味しくて思わず深呼吸をするほどだった。
雪道を皆で散歩した。
雪の上にはたくさんの動物達の足跡があった。遠くの雪嶺は光り輝いて空に聳え立っていた。八ヶ岳の中の横岳という山だそうだ。別荘地なので所々に家が建っている。しかし、この極寒の間に住んでいる人は一人もいないそうだ。管理事務所の人が時折パトロールをしてくれているので安心ではある。
先生の家には広いウッドデッキがあり、えさ箱が置いてあるので、コガラ、エガラ、シジュウカラ、アトリ、シメ、ウソ、カケス・・・などいろいろな鳥が寄ってくる。リスも来る。先生自らがウッドデッキに出て、ひまわりの種をえさ箱に入れ、
「ミカ、ほら大きなリスが来てるよ!」
などと、とても可愛がっている。
ウッドデッキを降りたところには食事のためのテーブルと椅子があるのだが、今はテーブルの上に50センチほどの雪が積もっていて、椅子も雪の中なので使えない。

お食事もとても美味しかった。暖炉でピザを焼き、オーブンでツヴィーベルンクーヘンを焼いて下さった。
ある時、先生が、
「ちょっと2台ピアノで遊んでみない?」
とおっしゃって、私の目の前に楽譜を置かれた。プーランクの2台のピアノのための小品だった。私はお断りすることもできず、何曲か弾くはめになってしまった。初見は大の苦手の私は本当に赤面ものだったが、聞いていた石井は楽しいねぇなどと言っていた。
先生の手書きの楽譜もたくさんあって、その中の何曲かをコピーしていただいた。フルートとヴァイオリンとピアノのためのトリオもあって、ピアノパートは途中からほとんど休みか、あるいは鉛筆でメモみたいなのが書かれていただけだったので伺ったら、その曲はヴァイオリニストの坂本氏の何かの記念の時書いた曲で、初演は坂本氏と、N響の小出氏と、ピアノは先生ご自身がお弾きになり、時間がなかったのでピアノパートは書かなかったのだそうだ。これをちゃんと完成した楽譜にして送ってくださるようにお願いした。
交響詩「まつら」の楽譜にも話題が及んだ。
「まつら」は1980年代に唐津日本フィルの会が先生に委嘱して書かれた曲で、唐津の有名なお祭り「おくんち」の音楽が主体になっている。初演は渡邉暁雄指揮、日本フィル。その後も何回か再演され好評だった。その楽譜が現在先生のお手許になく、おそらく管理しているのは唐津市役所だろうが、紛失してしまう前にどうにかしようということになった。帰宅したら早々に調べてみよう。

2月2日帰る日の朝、前の晩ちらちらした雪だったのが、何と言うことか雨になった!
この時期に雨が降るなどということは異常気象だ。これが夜になって冷え込むと路面はまるでスケートリンクのようになり、車でしか移動手段のない先生方はこわいねぇと恐れていらした。
9時頃、お家を後にする時、日が射してきて大きな虹のアーチが私達を見送ってくれた。


先生のお家
広いウッドデッキのある先生のお家

散歩
雪道の散歩

横岳
横岳その他の山々

ウッドデッキ
雪に埋まったテーブル

うそ
集まってくる小鳥たち

玄関先の小鳥達
玄関先にも小鳥が

2台ピアノ
2台ピアノでお遊び、私は冷や汗

虹に見送られて
虹のアーチに見送られて

野辺山駅
JR駅では標高が最も高い1345.67メートルの小海線野辺山。
ここからから名古屋に出て岩国に