9月15日からVIVAクラシック ミュージックキャンプ宇部が始まった。
主催はミュージックキャンプ宇部実行委員会。2000年から毎年続いている岩国でのミュージックキャンプに参加した宇部の人が是非宇部でも開催してほしいと熱望して実現した企画だ。

宇部には俵田邸という館がある。
石炭経営を柱とした近代的総合的な会社組織として創設された宇部興産の副社長の館だ。
宇部興産初代の社長の遺徳を顕彰するために1937年村野藤吾の設計により建てられた渡邉翁記念会館は第二次世界大戦の戦禍を免れて残り、戦後、西日本唯一の立派なホールとして海外からメニューイン、コルトー、シゲティなど著名な演奏家がここを訪れた。当時宇部にはそういった外国人向けのホテルは皆無だったので俵田氏は自宅を宿舎として提供し、質の高い演奏会は戦後文化に飢えた人々の心に多くのものを残した。

その俵田邸の、メニューインらが練習した同じ部屋で、15,16日両日とも9組ずつ弦楽四重奏やピアノトリオなどのレッスンが行われ、17日午後2時からヒストリア宇部で、その成果を発表する「散歩がてらのコンサート」が開催された。
今回は試験的に開催してみるという企画だったのでチケットは無く、当日窓口受付だけだったが、口コミ、或いは新聞や市報を見て70人ほどの人が集まってくださった。
出演者の最年少は7歳の赤石こはるちゃん、ハイドンの弦楽四重奏で参加。江波陽一さん、悠介君(12歳)駿介君(9歳)の親子はベートーヴェンのピアノトリオにチャレンジ。初参加の54歳の女性は「弦とのアンサンブルは初めてでしたが、大変楽しく、勉強になりました。」と言っていた。
プログラムもピアノトリオ、弦楽四重奏、クラリネット五重奏、チェロとコントラバスの二重奏、そして12名の奏者による弦楽合奏もあり、変化に富んでいて、聞きにいらした方々はとても楽しんでいた様子だった。

宇部市としても応援してくれるようだし、新聞社も何度も取り上げてくれて、また来年はどのような企画になるかこれから皆の希望も聞いていこう。


こはるちゃん
こはるちゃんのレッスン風景

ロッシーニ
ロッシーニの二重奏、チェロとコントラバスの奏者は夫婦

ピアノトリオ
ピアノトリオのレッスン、奥に俵田氏の写真も。

江波親子
江波親子の力のこもった演奏

クラリネット五重奏
クラリネット五重奏

集合写真
演奏者全員集合