レコード棚と楽譜棚が出来上がった。
レコード棚は大工の久良さん、楽譜棚は秀太郎の制作による。
うちには父がニューヨーク勤務時代に買い集めたものと、私達が買ったもの合わせて400枚余りのレコードがある。ピアノやヴァイオリンの曲が多いが、父が買ったものの中にはオペラやジャズなどもある。CDを収納する棚も合わせて作り、上にアンプやプレーヤーを置いた。
素材は山口産の杉板。CD棚の方は軽いので1センチの厚さだが、レコード棚は厚さが3センチ近くもあり がっしりとしている。久良さんの勧めで一切塗装はせず、素板のまま。木は生きているので呼吸している。呼吸しているから湿気のある時は湿気を吸い、また乾燥している時は湿気を吐き出して室内の湿度を調整してくれるのだそうだ。油性の塗装を施してしまうとそれが妨げられる。塗ったものはいずれ剥がれて醜くなる。というのが久良さんの信念だ。今は真新しい材木だが、だんだん馴染んでくるのだろう。
楽譜棚の方は秀太郎がネットで北海道日高郡の材木屋さんから買ったシナベニアで作ってある。白くてちょっと洒落た感じに仕上がった。棚板は150枚あり、差し替え自由で、楽譜の厚さ、量によって調節できるようになっている。
ヴァイオリンの楽譜の種類や量は日本のヴァイオリニストの中でも多いほうだと思う。ヨーロッパに行くと、観光より何より古楽譜屋を探して見て回るのが趣味だった。いつか有名なヴァイオリニストの前橋汀子さんが、
「何曲も小品を録音するのだけれど、何か珍しい曲の楽譜を貸してくれませんか?」
とうちに電話をかけてきたことがある。石井は何曲か貸したが、カナリアだけは渡さなかったそうだ。この楽譜もウィーンかどこかの古楽譜屋で見つけたものだが、今では彼のおはこになっている。
7月に咲いたうばゆりが種を全部まき散らしてすっかり枯れた。
来年の春、新しい二世たちが芽生えてくることを祈っている。
今年もあと7日。
レコード棚は大工の久良さん、楽譜棚は秀太郎の制作による。
うちには父がニューヨーク勤務時代に買い集めたものと、私達が買ったもの合わせて400枚余りのレコードがある。ピアノやヴァイオリンの曲が多いが、父が買ったものの中にはオペラやジャズなどもある。CDを収納する棚も合わせて作り、上にアンプやプレーヤーを置いた。
素材は山口産の杉板。CD棚の方は軽いので1センチの厚さだが、レコード棚は厚さが3センチ近くもあり がっしりとしている。久良さんの勧めで一切塗装はせず、素板のまま。木は生きているので呼吸している。呼吸しているから湿気のある時は湿気を吸い、また乾燥している時は湿気を吐き出して室内の湿度を調整してくれるのだそうだ。油性の塗装を施してしまうとそれが妨げられる。塗ったものはいずれ剥がれて醜くなる。というのが久良さんの信念だ。今は真新しい材木だが、だんだん馴染んでくるのだろう。
楽譜棚の方は秀太郎がネットで北海道日高郡の材木屋さんから買ったシナベニアで作ってある。白くてちょっと洒落た感じに仕上がった。棚板は150枚あり、差し替え自由で、楽譜の厚さ、量によって調節できるようになっている。
ヴァイオリンの楽譜の種類や量は日本のヴァイオリニストの中でも多いほうだと思う。ヨーロッパに行くと、観光より何より古楽譜屋を探して見て回るのが趣味だった。いつか有名なヴァイオリニストの前橋汀子さんが、
「何曲も小品を録音するのだけれど、何か珍しい曲の楽譜を貸してくれませんか?」
とうちに電話をかけてきたことがある。石井は何曲か貸したが、カナリアだけは渡さなかったそうだ。この楽譜もウィーンかどこかの古楽譜屋で見つけたものだが、今では彼のおはこになっている。
7月に咲いたうばゆりが種を全部まき散らしてすっかり枯れた。
来年の春、新しい二世たちが芽生えてくることを祈っている。
今年もあと7日。
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