小さな天道虫、蜘蛛、蟻、蛾、イモリ・・・

宏二郎の描く絵には人が見過ごしてしまいそうな小さな生き物達が登場する。

宏樹庵ディナーコンサートと同時に開かれた宏樹庵ギャラリーでの宏二郎展は2月28日から一週間開催され、3月6日に終えた。
宏樹庵は街中にあるわけではなく、目立つ標識も無いので、一般の人には大変分かりにくい場所だが、熱心な方々が延べ70名余り見えて、独特の色彩と光と影の絵に感嘆の声をあげていた。
初日に見にいらした方が感激して、徳島の知り合いを誘ってそのお知り合いの方はわざわざ徳島からこの宏二郎展のために出ていらして最初の方と一緒にご覧になった。光市から新聞を見ていらした方もあった。
家全体も芸術の一部となって、宏二郎の絵と共にお客様を喜ばせたようだった。

宏二郎が1歳半の時妹が生まれたので、ベビーカーは妹専用になって彼はよく歩いた。
よく歩いたが、よく立ち止まって足元の石ころや虫たちに見入って動かなかった。
一人で遊んでいる時も、走り回るより道端にしゃがみ込んでいることの方が多かった。そんな時は、気持ちが足元に集中しているので、呼んでも聞こえなくて、
「この子は耳が悪いのでは?」
と本気で心配したこともあった。

彼が今描いているのは幼い時から見ていた虫たちで、やはり3歳までの感動は終生持ち続けるものだと、改めて思う。

昨年孫が生まれた。今、10ヶ月。
ディナーコンサートと防府の保育園でのコンサートに出演するために陽子は子連れで宏樹庵に来て、10日ほど滞在した。孫にとっては初めての長旅だし、人見知りするようになっていたので、初めての環境の中でどうなるかと思ったが、広々した家の中でハイハイが上手になり、もうすぐ立つほどに成長した。様々な人と出会い、様々な反応を示した。自分の家とは全く違う状況でもあまり臆することなく、どんどんいろいろな事を吸収しているのが見てとれた。
この幼い経験を見守ろう。育もう。
きっとのびのびと成長してくれることだろう。




天道虫の絵




床の間の絵




宏二郎展1




宏二郎展1