2023年01月

1月20日(金)午後6時より米軍基地内の教会にて「洋楽器と和楽器のアンサンブルコンサート」という演奏会が開催された。
13弦と17弦の琴の伴奏に乗ってヴァイオリンが夕焼け小焼けなどの歌を演奏。演奏するのは以前米軍岩国基地の総司令官だったファーストさんの娘さん。彼女は日本が気に入って両親がアメリカに帰ってしまった後も日本に残り幼稚園の先生をしている。その仕事もこの3月で終え帰国することになった。この演奏会はお別れの意味も含まれていた。彼女はアメリカでヴァイオリンを弾いていたが日本に持ってこなかったので調達してほしいと頼まれ高額ではないヴァイオリンを探してあげて以来私たちと知り合いになった。琴を演奏するのは基地内でも琴を教えている藤本順子さんとその仲間。
2曲目は琴にアメリカ人も加わって3面の琴で月下美人という曲。アメリカ人の男性は藤本さんのお弟子さんで袴を上手に着こなしほかの二人に溶け込んで弾いていた。
3曲目は藤本さんと石井啓一郎で月光幻想曲。これは筑紫歌都子作曲で起伏もありなかなか良い曲だった。昨年から何回か合わせて練習し当日に臨んだ。
休憩をはさんで今度はヴァイオリンとピアノで浜辺の歌、ウクライナの歌「鶴」、チゴイネルワイゼン。アンコールはポリアキンのカナリア。
お客さんは多くはなかったが、皆とても楽しんでいたようだった。ヴァイオリンとピアノの演奏の時、近くで聴こうと思ってか最前列の椅子の前の床にしゃがみこんで聴いていたり、日本では考えられない行動にびっくりしたが、終演後は何人かの人がわざわざ私たちを取り囲んで嬉しそうに話していた。洋楽器の演奏会と和楽器の演奏会の作法の違いもあった。和楽器の人たちは演奏の前、誰も舞台裏に待機していなかったので開演時間にちゃんと始まるのだろうかと私は不安になった。開演のベルもなく、司会の人が話し始めてやっと演奏会は始まった。
基地内に入る手続きは直前まで変更があり、藤本さんはずいぶんと気を揉んだことだろうと思う。でも良い経験ができた。携わってくれたみんなにありがとうと言いたい。


基地演奏会3


基地演奏会2
石井はミミちゃんの歌にオブリガートで寄り添う


基地演奏会1
アメリカ人は基地内の学校で美術を教えているそうです


基地演奏会4


基地演奏会6

基地演奏会7


昨年初めて開いた中井の私の実家での元旦コンサート、今年は私のアンサンブルシリーズが1月12日にあったので元旦には出来ず、1月15日になってしまったが午後5時半から開かれた。
エルガー 愛の挨拶 石井陽子 石井啓一郎 石井啓子
ショパン ワルツ作品69-1 米本幸子
バッハ G線上のアリア 加藤史子 石井啓子
クレメンティ ソナチネ作品36-3全楽章 増渕絢香(小6)
ウクライナの歌 鶴 石井啓一郎 石井啓子
ポンポンピアノ 思い出のアルバム 増渕ほのか(小2)
平吉毅州 真夜中の火祭り 米本一青(小2)
外山雄三編曲 浜辺の歌 石井陽子 石井啓子

というプログラム。皆に配るプログラムは晴香がipadで上手に作って印刷してくれた。中学1年生。こんなこともできるようになった。彼女は中学で吹奏楽部に入りユーフォニウムを吹いていてヴァイオリンはしばしお休み。参加者は中井の母 米本幸子、米本宏二郎一家3人、加藤一家(妹家族)2人、増渕一家(陽子家族)5人、岡崎一家(叔母)4人。
母の本番に向けての練習は95歳にしては並々ならぬものだった。日頃腰が痛いと言っているのに、ピアノに向かっている時間はそれを忘れるようで、もう止めたらとこちらが思う程一生懸命練習していた。昔はある程度弾けていたのだと思うが、私が生まれてからは一度もピアノに触れたことがなく、私も一度も母の演奏を聴いたことがなかった。それが、中井にある昭和8年製のピアノをなんとか弾けるように直してもらったお陰もあって、70年ぶりに母は弾いてみたいと思うようになった。本業の書にも向かっているが、ピアノの方が楽しいらしい。
頑張れ、96歳 ウサギ年!!

元旦コンサート9
愛の挨拶

元旦コンサート8
ショパンのワルツ

元旦コンサート7
G線上のアリア

元旦コンサート6
クレメンティのソナチネ

元旦コンサート5


元旦コンサート4
ポンポンピアノと思い出のアルバム

元旦コンサート3
真夜中の火祭り
元旦コンサート2

浜辺の歌

1月12日(木)午後7時より東京文化会館小ホールにて石井啓子アンサンブルシリーズⅩⅩⅩⅡが開催された。
クーラウのフルートとチェロとピアノによる協奏的三重奏曲作品119、メンデルスゾーンのピアノ三重奏曲1番と2番というプログラム。これは本来昨年1月28日に演奏される予定だったのが出来なくて今回に至った演奏会。未だにコロナは収まらず、その上インフルエンザも流行して世の中がちっとも落ち着かない状況なのだが、人それぞれにとらえ方はまちまちで、お客様も300人ほど集まって下さった。
クーラウは譜面上は技術的にそれ程高度ではないのだが、とても弾きにくい箇所があったり何とはなしに弾くだけでは何の面白味もなかったり、難しかった。陽子は天性の歌心で演奏し、桜庭さんはとても難しい音の並びも彼の技でクリアし、私はとにかく二人に乗って楽しく弾くことを心掛けた。
メンデルスゾーンの三重奏1番はあまりにも有名な曲で、誰でもが弾いてみたい曲なのだが、CDのどれを聴いても私は満足がいかず、自分流に弾いてみようと思った。それがすべて上手く弾けたかどうかはわからないが。
2番は部分的に、あるいは全曲、一応人前では弾いたし、曲の流れには安心感があった。
当日聴きに来てくれた批評家の一人が自身のブログに「ピアノが非常に音楽的で、自ら感じた音楽の道筋を起伏豊かに表現している」と書いて下さった。が、私としては共演者の力によって私の演奏は成り立っていると思っている。
お客様からは「2年分の想いが伝わりました」「ピアノの柔らかいタッチやチェロの情感のこもった低い歌声、ヴァイオリンの独特な節回しなどが一つになって心地よい諧調に耳も心も委ねられた」などの感想が寄せられた。私の演奏会、6月のリサイタルも同じだが、この演奏会に来れば久しぶりにあの人に会えるという期待感で来るお客さまが多い。演奏の心地よさの他にもそういった人とのつながりが感じられる演奏会。これも長年続けている宝物かもしれない。

アンサンブルシリーズⅩⅩⅩⅡ-1
終演後楽屋で陽子と

アンサンブルシリーズⅩⅩⅩⅡ-2
演奏者全員集合  みんな頑張ったね、ありがとう!

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