6月に京都、東京で 石井啓一郎ヴァイオリンリサイタルが催されます。
今年のリサイタルはシューマンの第2番のソナタを中心に演奏します。

Frei aber
Einsamkeit(自由に しかし 孤独に)を旗印に人間を音楽のなかで追及したシューマンは今の世で最も求められている音楽家の一人です。

今年6月8日でちょうど200歳になります。


石井啓一郎ヴァイオリンリサイタル2010

(ポスターデザイン:宏二郎)

日時:2010年6月3日(木) 19:00開演

会場:京都コンサートホール小ホール

全席自由 3000円


日時:2010年6月10日(木) 19:00開演

会場:東京文化会館小ホール

全席自由 4000円

ヴァイオリン:石井啓一郎

ピアノ:石井啓子

プログラム:

シューベルト:ヴァイオリンとピアノのためのソナチネ Op.137-3

サティ:左と右に見えるものー偽りのコラール 盲目のフーガ 筋肉質な幻想

ロージャ:北ハンガリーの農民音頭と舞

コダイ/シゲティ:ハーリー・ヤノシュ

シューマン:ヴァイオリンとピアノのためのソナタ 第2番 op.121

お問い合わせ:

大地の会 TEL.042(343)3455 kayishii0410@ybb.ne.jp

日本フィル:TEL.03(5378)5911

東京文化会館チケットサービス:TEL.03(5685)0650

京都コンサートホール:075(311)3090


後援:(財)日本フィルハーモニー交響楽団 日本フィル協会 ユーコートアンサンブル 啓&啓倶楽部


チケットは上記問合せ先の他、啓&啓倶楽部のホームページからもお申し込みになれます。


 七分程咲いた大きな桜の花から花へたくさんのメジロが飛び交い、ピーピーとにぎやかに鳴いていた。楽しくてしようがないという声だ。すぐ下をせせらぎがその声に和して流れる。春の明るい光がきらきらとしていた。

3月30日、先日のディナーコンサートでいろいろ手伝ってくれた人達と周防大島の竜ヶ崎温泉に行った。
朝10時、宏樹庵から下って医療センターを抜け、国道に出た所でマイクロバスに乗り込む。総勢17名。
お天気も良く、海が青かった。
通津、由宇、神代を過ぎ、大畠のところに大島へ渡る橋がある。大きな橋だ。1976年にできたそうだ。その前は連絡船が行き来していた。大島は瀬戸内海のこのあたりでは一番大きな島で、海水浴場もあちこちにあり、温泉もある。温泉の歴史は古く、江戸時代の石風呂が残っているところもある。これは石積みや岩窟の空洞を利用した熱気浴施設で、海草を敷き詰めて入るところもあったようだ。
わたしの好きな宮本常一の出身地でもある。

竜ヶ崎温泉は橋を渡ってから、島のだいぶ先の方に進んだところにある。お湯は鉄色ににごっていて少し塩辛い。
ゆったりと手足を伸ばす。湯船のへりにあごを乗せ、うつぶせに身体を反り背中も伸ばす。
次第に、身体のこわばりはお湯に溶けてゆく。

12時を少し廻った頃からお食事が始まった。
ここのレストラン特製の「潮風御膳」というコース。お刺身の盛り合わせ、たこわさ、小いわしの南蛮漬け、てんぷら、あなごの釜飯など11品目もあり、食べきれない程だ。
飲み物も各自好きなものを注文し、特に女性群では笑いが絶えない。一人、よさこい節を踊るのが上手な人がいて、その人が何もしないでただ歩いただけで、みんな笑う。
2時過ぎになって、バスの出発時刻が迫っているのに、何人かはカラオケに行って自慢ののどを披露し、またまた拍手喝さい。
帰りに、海産物のお土産やさんにも寄ったりしたので、家に着いたのは4時過ぎだった。

ディナーコンサートはすべて手作りなので準備が大変だが、また来年もみんな手伝ってくれるだろうと思った。

その晩7時ごろ、海の上に赤いぼやけた月が昇った。
明日は雨かもしれない。



温泉入り口で。


 小さな天道虫、蜘蛛、蟻、蛾、イモリ・・・

宏二郎の描く絵には人が見過ごしてしまいそうな小さな生き物達が登場する。

宏樹庵ディナーコンサートと同時に開かれた宏樹庵ギャラリーでの宏二郎展は2月28日から一週間開催され、3月6日に終えた。
宏樹庵は街中にあるわけではなく、目立つ標識も無いので、一般の人には大変分かりにくい場所だが、熱心な方々が延べ70名余り見えて、独特の色彩と光と影の絵に感嘆の声をあげていた。
初日に見にいらした方が感激して、徳島の知り合いを誘ってそのお知り合いの方はわざわざ徳島からこの宏二郎展のために出ていらして最初の方と一緒にご覧になった。光市から新聞を見ていらした方もあった。
家全体も芸術の一部となって、宏二郎の絵と共にお客様を喜ばせたようだった。

宏二郎が1歳半の時妹が生まれたので、ベビーカーは妹専用になって彼はよく歩いた。
よく歩いたが、よく立ち止まって足元の石ころや虫たちに見入って動かなかった。
一人で遊んでいる時も、走り回るより道端にしゃがみ込んでいることの方が多かった。そんな時は、気持ちが足元に集中しているので、呼んでも聞こえなくて、
「この子は耳が悪いのでは?」
と本気で心配したこともあった。

彼が今描いているのは幼い時から見ていた虫たちで、やはり3歳までの感動は終生持ち続けるものだと、改めて思う。

昨年孫が生まれた。今、10ヶ月。
ディナーコンサートと防府の保育園でのコンサートに出演するために陽子は子連れで宏樹庵に来て、10日ほど滞在した。孫にとっては初めての長旅だし、人見知りするようになっていたので、初めての環境の中でどうなるかと思ったが、広々した家の中でハイハイが上手になり、もうすぐ立つほどに成長した。様々な人と出会い、様々な反応を示した。自分の家とは全く違う状況でもあまり臆することなく、どんどんいろいろな事を吸収しているのが見てとれた。
この幼い経験を見守ろう。育もう。
きっとのびのびと成長してくれることだろう。




天道虫の絵




床の間の絵




宏二郎展1




宏二郎展1


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