5月30日京都、6月8日宇部、6月11日東京と続いた今年のリサイタルが終わった。
プログラムはフィンランドの作曲家シベリウスのノヴェレッテに始まり、モーツァルトのソナタK305、外山雄三の七つの山口民謡、ブラームス ハンガリア舞曲4番5番、サラサーテのバスク綺想曲、そして後半はグリーグの3番のソナタと、民族色豊かなものだった。
グリーグのソナタは1986年に弾いたことがあったが、今回はその時と全く違う演奏だったと思う。出だしのフォルテの和音も柔らかく、高音の氷のようなキラキラ感。お客さんは喜んでくれたようだった。
ドイツ留学を終えて帰国し、リサイタルを始めて今回46回目。初めのうちは全部新しい曲、今では以前に弾いたことのある曲も取り上げているが、全部で何曲ぐらい演奏しただろうか。
今はユーチューブなど、どんどん予測できない速度で進化し、音楽が溢れていて、いつでもどこでも聴くことが出来るようになっているが、生身のからだで、いろいろお客さんとのやり取りも感じながら演奏することは電波を通して聴くのとは全く違ったものと確信している。東京の演奏会では終わった後、誰かがブラボーと叫んだ。聴いた人の感想でも、涙が出そうになった、北欧の空気が感じられて北欧に行きたくなった、外山さんの曲は外山さんと一緒に聴いているような感じがしたなどの声が聞かれた。そういう事は生身の演奏でしか味わえない事と思う。
これから上辺だけの気軽に楽しめる音楽がますます溢れると思うが、地に足を付けた生きている音楽をお客さんと共有するため、日々の精進を重ねていきたい。


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京都コンサートホール、調律中。

石井啓一郎バイオリンリサイタル@ヒストリア宇部①
ヒストリア宇部にて

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東京文化会館にて終演後

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5月3日からミュージックキャンプが始まった。今回で25回目を迎えた。
3日と4日は黒磯自治会館と宏樹庵にてレッスン。今年は常連さんの他に、常連さんの知り合いの子供や初めて地元の子供たちの参加があって小学生が7人、中学生6人、高校生1人と子供が多かった。総勢37人が21のグループになってピアノ四重奏曲や三重奏曲、弦楽四重奏曲などを受講した。地元の子供たちは昨年初参加した和木町に住むMさんの門下生でみんな小学生だが、とても楽しそうに弾いていた。
10年前まで参加していた男の子がもう大学院生になり、久しぶりに参加。背もとても高くなり、大人なのだが、何となく昔の子供の雰囲気が残っていて懐かしかった。
食事は初日昼は啓一郎先生が4日間も煮込んだカレーライス、夜は魚介類のバーベキュー、アクアパッツァ。焼きそば。二日目は宏二郎が焼く石窯ピザとセルフサンドイッチ。今回参加人数が多かったのでピザを30枚も焼き、焼くのに3時間もかかった。でも大好評。夜は肉系のバーベキュー。参加者のお父さんたちも大活躍。恒例のかがり火も焚き、常連の男の子は小さな子供たちにもこれを継承させなければと教えていた。
5日9時半から由宇文化会館にて会場練習。本番は午後1時半から。地元の子供たちのおじいちゃんおばあちゃんも聴きにきてくれた。
終演後、宏樹庵にて懇親会。お腹がいっぱいになると例の如く演奏が始まる。人数が多かったので舞台のスペースが取れず、サラウンド式にみんなを囲んで演奏した。晴香もユーフォニウムを上手に吹いた。
そして、来年も会おうねとみんな帰って行った。
みんな仲が良い。音楽も大好き。

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ピザはマルゲリータ、オイルサーディン、シーフードの3種類



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焼きたてのピザは生地がパリッとしていて美味しかった
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ピザ職人の宏二郎

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晴香が描いてくれたメニューの絵

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朝ごはんは近所の人たちがお米を3升炊いてくれる。このお米が美味しくて日本一との評判。
近くの川で採って来たクレソンもピリッとして大好評。

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ツリーハウスの木陰で練習する子

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所を選ばず練習、練習。

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かがり火

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子供たちはかがり火でマシュマロを焼く

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常連の江波家。彼も最初ここへ来た時はまだ小さくて庭を走り回り池に落ちたりしていた。その子ももう大学生!

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地元の子供たち。右のチェロ奏者は隣の子のお母さん

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一青が弾いたのはハイドンの三重奏曲

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陽子と常連さんのデュオはとても楽しかった

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最後の講師による三重奏曲はシューベルト

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懇親会

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晴香と絢香も演奏

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朝のレッスン







4月6日(土)14時よりシンフォニア岩国多目的ホールにて恒例の石井啓一郎ファミリーコンサートが開催された。
チラシのデザインはいつも宏二郎が引き受けてくれていたのだが、彼が時間がなく初めて外部のデザイナーに頼んだ。昨年のチラシを参考に違和感なく作ってくれたので大変良かった。
錦帯橋は昨年創建350年を迎えた。美しく、また災害に対しても一工夫も二工夫もされている。錦川の桜に映えて一段と美しい季節にこのファミリーコンサートは開催される。
今回のプログラムにはチゴイネルワイゼンを入れなかった。アンケートに何か淋しさを感じる文が寄せられるかと思ったが意外と、「いつもと違った曲を楽しませていただきました。」「本当にアットホームなコンサートで心温まります、啓一郎さんのトークも知的で大変楽しめました。」「心に寄り添うようなピアノの響き、ヴァイオリンの根の張った脱力感漂う中でのメリハリ、とても心地良かったです。」など好評の声が届いた。また、冒頭3人での愛の挨拶に続いて、ヴァイオリンのブラームス ハンガリア舞曲5番、フルートでマルティヌーのスケルツォ、ヴァイオリン 鶴、フルート 七つの子、ヴァイオリン バスク綺想曲、フルート ベルトミューのロマンティック組曲と、フルートとヴァイオリンの曲が絡み合ったプログラムだったので、陽子のフルートがたくさん聴けてすっかり虜になりました、などお客さんは大変喜んでくれた。後半もドイツでもフランスでもなく、北欧ノルウェーの作曲家グリーグのヴァイオリンソナタ、これも新鮮だったようだ。
このコンサートも2002年に始めて、今回で23回目となった。コロナの年も奇跡的に開催できた。初めはクラシックの演奏などほとんど聞いたことがないようなお客さんだったが、ずいぶん親しんできたという印象を感じた。
これからも、知っている曲、全然知らない曲、いろいろな曲をお客さんと楽しんでいきたい。

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