カテゴリ: 宏樹庵便り

昨年初めて開いた中井の私の実家での元旦コンサート、今年は私のアンサンブルシリーズが1月12日にあったので元旦には出来ず、1月15日になってしまったが午後5時半から開かれた。
エルガー 愛の挨拶 石井陽子 石井啓一郎 石井啓子
ショパン ワルツ作品69-1 米本幸子
バッハ G線上のアリア 加藤史子 石井啓子
クレメンティ ソナチネ作品36-3全楽章 増渕絢香(小6)
ウクライナの歌 鶴 石井啓一郎 石井啓子
ポンポンピアノ 思い出のアルバム 増渕ほのか(小2)
平吉毅州 真夜中の火祭り 米本一青(小2)
外山雄三編曲 浜辺の歌 石井陽子 石井啓子

というプログラム。皆に配るプログラムは晴香がipadで上手に作って印刷してくれた。中学1年生。こんなこともできるようになった。彼女は中学で吹奏楽部に入りユーフォニウムを吹いていてヴァイオリンはしばしお休み。参加者は中井の母 米本幸子、米本宏二郎一家3人、加藤一家(妹家族)2人、増渕一家(陽子家族)5人、岡崎一家(叔母)4人。
母の本番に向けての練習は95歳にしては並々ならぬものだった。日頃腰が痛いと言っているのに、ピアノに向かっている時間はそれを忘れるようで、もう止めたらとこちらが思う程一生懸命練習していた。昔はある程度弾けていたのだと思うが、私が生まれてからは一度もピアノに触れたことがなく、私も一度も母の演奏を聴いたことがなかった。それが、中井にある昭和8年製のピアノをなんとか弾けるように直してもらったお陰もあって、70年ぶりに母は弾いてみたいと思うようになった。本業の書にも向かっているが、ピアノの方が楽しいらしい。
頑張れ、96歳 ウサギ年!!

元旦コンサート9
愛の挨拶

元旦コンサート8
ショパンのワルツ

元旦コンサート7
G線上のアリア

元旦コンサート6
クレメンティのソナチネ

元旦コンサート5


元旦コンサート4
ポンポンピアノと思い出のアルバム

元旦コンサート3
真夜中の火祭り
元旦コンサート2

浜辺の歌

1月12日(木)午後7時より東京文化会館小ホールにて石井啓子アンサンブルシリーズⅩⅩⅩⅡが開催された。
クーラウのフルートとチェロとピアノによる協奏的三重奏曲作品119、メンデルスゾーンのピアノ三重奏曲1番と2番というプログラム。これは本来昨年1月28日に演奏される予定だったのが出来なくて今回に至った演奏会。未だにコロナは収まらず、その上インフルエンザも流行して世の中がちっとも落ち着かない状況なのだが、人それぞれにとらえ方はまちまちで、お客様も300人ほど集まって下さった。
クーラウは譜面上は技術的にそれ程高度ではないのだが、とても弾きにくい箇所があったり何とはなしに弾くだけでは何の面白味もなかったり、難しかった。陽子は天性の歌心で演奏し、桜庭さんはとても難しい音の並びも彼の技でクリアし、私はとにかく二人に乗って楽しく弾くことを心掛けた。
メンデルスゾーンの三重奏1番はあまりにも有名な曲で、誰でもが弾いてみたい曲なのだが、CDのどれを聴いても私は満足がいかず、自分流に弾いてみようと思った。それがすべて上手く弾けたかどうかはわからないが。
2番は部分的に、あるいは全曲、一応人前では弾いたし、曲の流れには安心感があった。
当日聴きに来てくれた批評家の一人が自身のブログに「ピアノが非常に音楽的で、自ら感じた音楽の道筋を起伏豊かに表現している」と書いて下さった。が、私としては共演者の力によって私の演奏は成り立っていると思っている。
お客様からは「2年分の想いが伝わりました」「ピアノの柔らかいタッチやチェロの情感のこもった低い歌声、ヴァイオリンの独特な節回しなどが一つになって心地よい諧調に耳も心も委ねられた」などの感想が寄せられた。私の演奏会、6月のリサイタルも同じだが、この演奏会に来れば久しぶりにあの人に会えるという期待感で来るお客さまが多い。演奏の心地よさの他にもそういった人とのつながりが感じられる演奏会。これも長年続けている宝物かもしれない。

アンサンブルシリーズⅩⅩⅩⅡ-1
終演後楽屋で陽子と

アンサンブルシリーズⅩⅩⅩⅡ-2
演奏者全員集合  みんな頑張ったね、ありがとう!

幸風会書展が11月22日から27日まで銀座の鳩居堂にて開催された。
これは母、米本一幸の社中展で一年おきに鳩居堂で開かれている。しかし母も高齢になりもう教えられないからと昨年中止しようかと母は悩んでいた。お弟子さんたちの意見も聞き、圧倒的にやりたいという意見が多く、先生にはご指導をいただくだけで開催の準備はすべて私たちが進めますからと言われ、母も自信がないまま年が明けた。年明けてからは母はだいぶ体調も良くなり、久しぶりの旅行にも行けた。
しかし8月、母は倒れた。救急車で運ばれ入院。私はもう自宅で一人で過ごすことは無理と思った。適当な施設がないかいろいろパンフレットも取り寄せたりした。でも、お陰様で病状は回復し退院できて自宅に戻ってこれた。ヘルパーさんの助けを借りて自宅でリハビリをしながらだんだん元気になってきた。
そして11月22日、とてもお天気の良い日、書展の初日を迎えた。家から一歩も出られなかった母が会場に足を運んだ。お弟子さんたちは大喜び!会場には30人のお弟子さんたちの思い思いの心のこもった書が繊細ながらも華のある雰囲気で展示されていた。
私は最終日27日に行ってみた。母はその日も朝から会場に詰めていた。あの夏の入院していた時には考えられなかったことだった。その日は母の95歳の誕生日だった。会が終わる時、お弟子さんたちから花が送られ、みんなでハッピーバースデーの歌が歌われたそうだ。後でお弟子さんの一人が、久しぶりに大きな声で歌いましたと幸せそうに私に話してくれた。
帰宅してから二人でささやかにお誕生日のお祝いをした。
本当に夢のような日だった。


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母の書の前で

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お誕生日の花束
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二人用のケーキ
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お誕生日おめでとう!これからも好きなことができますように!





11月2日岩国西ロータリークラブが企画している「癌予防の講演と演奏会」のため周東中学校に行った。
午後1時35分から30分ロータリーの会員で息子さんを肺癌で亡くされたK氏が講演し、引き続いて2時15分からヴァイオリンとピアノの演奏が始まる。生徒数は320名余り。女子の制服はセーラー服だった。きちんと座って静かに聴いてくれた。石井のトークにもおとなしいが反応して、ちゃんと聞いているのが感じられた。プログラムは先日のウクライナ支援チャリティコンサートで演奏した小品7曲とアンコールにはカナリア。
この企画は2016年に西岩国ロータリークラブが提案し、初年度は岩国中学校と麻里布中学校、2017年は東中学校と川下中学校、2018年平田中学校と灘中学校、2019年玖珂中学校と続き、大変好評で新聞にも取り上げられて本郷中学校の校長先生からうちでもやってもらえないかと電話がかかり、そこへも行ったりした。しかしコロナの蔓延でやむを得ず中断、今回は久しぶりの再開となった。
榎本校長先生はヴァイオリンの生の演奏を聴くのは初めてとおっしゃっていた。生徒の中にも聴いたことのある子は少なかったのではと思われる。サラサーテの曲が多かったのでヴァイオリンの色々な奏法が出てきて「ヴァイオリンてあんな音も出るんだ!」とびっくりしたようだった。
生徒の7割が自分のスマホを持っていると言う。
学校への持ち込みは禁止されているが、家でのスマホ時間は相当長いのだろう。中には中毒になりかかる子もいて校長先生は心配している。でも、学校内での生活は今とても落ち着いていて以前のような問題児がいなくなったとの事。お利口さんばかりではつまらないが、活力のある子供たちに育ってほしい。
周東中学校2022.11.12 3

周東中学校2022.11.2 21

周東中学校2022.11.2 1

9月17日(土)からミュージックキャンプ宇部は始まった。
参加者は宇部市から15人、山口市から10人、山陽小野田市から1人、下関市1人、周南市1人、防府市1人、岩国市1人、広島市1人、東京近郊4人の計35人。
俵田寛夫氏の見守るいつもの俵田邸応接室と、今回は2階の洋間もレッスン室として使わせていただいた。講師は桜庭茂樹先生と石井啓一郎、石井啓子。ピアノ三重奏曲などピアノが入っているグループは7組。弦だけのグループは8組。一日目石井啓一郎が担当したグループは二日目は桜庭先生の指導になるよう二手に分けてスケジュールを組んだ。
1日目のレッスンが終了した頃、台風の問題でスタッフ達は頭を突き合わせて協議していた。
910hPaという今まで聞いたことがないような数字の超大型台風が18日夜から19日にかけて宇部を直撃するという予報。危険を冒してまでも演奏会を開催していいものかどうか。予報はあくまでも予報であって、実際にはどうなるか分からない。何度もスマホの台風情報を確認する。どうやらかなりの確率で宇部のほぼ真上を台風が通る。超大型の台風だ。看板が飛び、トラックも横転するくらいの台風と言っている。急遽、演奏会は中止ということになった。
でもレッスンは18日夕方までは実施。ただ東京組のレッスンは午前中にすべて終えるようにスケジュールを組みなおし、彼らはお昼過ぎの新幹線で帰っていった。桜庭先生のレッスンも18時ぎりぎりまではやって、やはり新幹線で東京へ。慌ただしかった。
それぞれのグループは1日目より2日目の方がだいぶ成長した。演奏会が開催できないのは大変残念だった。

18日の夜は久しぶりに台風らしい台風で、風も雨も相当なものだった。宿泊していたユースホステルでは翌朝起きてみると、食堂の窓ガラスは割れ、雨漏りと隙間から吹き込んだ雨で床がびしょ濡れだった。午前中、拭き掃除に追われた。
演奏会がなくなったので19日は予定は他には何もなかった。テレビでは今台風は山口県に最接近しているので最大級の警戒をお願いしますと言っていた。しかし昨夜の暴風雨はもう通り過ぎてしまったかのように静かになっていた。ただ、山陽道も一般道も通行止めになっていたので岩国に帰ることは出来なかった。一日ユースホステルでのんびり練習して翌20日に岩国に帰った。テレビの雨雲レーダーなどの画面では岩国の方が雨がだいぶ降っていたような様子だった。錦川や小瀬川流域では、錦帯橋の橋げたの一部が流されたり、家屋が浸水したりの被害があったようだが、我が家の周りではほとんど台風の爪痕は見られなかった。

昨年はコロナの蔓延防止条例のため、今年は台風のため、予定されていた演奏会は2年連続でできなくなってしまったが、受講生達はいつも意欲的で、プログラムにも大曲が並ぶ。
来年は出来ますように。


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俵田邸応接室でのレッスン風景

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幻になったプログラム






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