カテゴリ: 宏樹庵便り

10月26日妹の命日。亡くなって5年が経った。享年56歳。

亡くなる年の3月、彼女は一人の書家の友達と一緒にフィンランドで書の展覧会を開いた。
彼女はもともと日本女子大の食物学科を卒業して、イタリア料理の専門家として日本のイタリアレストランのシェフなどと一緒にいろいろなメニューを研究していた。手書きのたくさんのレシピが残されている。
しかし、母親の影響もあって書も師匠について精進していた。
母はかな部門だが、彼女の師匠は近代詩文という部門で、見る人に分かり易い文字で詩や短歌などを書いていた。また、彼女は銀座に教室を開いて大人を対象に自由に、自分の思ったこと、感じたこと、書きたいことを書かせていた。彼女の「うふっ」と書いた色紙は私も好きだ。そんな、何か既存の書道界を抜けたところに彼女は自分の存在を求めていたようだった。
プラハでの書の展覧会が好評だったので、それから3年くらい経っていただろうか、私に、またどこか海外で展覧会を開きたいのだけどと相談があった。私は指揮者の渡邉暁雄先生とのつながりで日本フィンランド協会に所属しており、フィンランドにも知人がいた。その知人に打診したところとんとん拍子に事が進み、フィンランドの首都ヘルシンキの郊外のエスポーという所で2013年3月に展覧会を開くことが決まった。
会場はとても広く立派な所で、たくさんの来場者もあり、またワークショップも好評だった。大成功で帰国した後、関係者から私にまで感謝の言葉が多く寄せられた。

それなのに、どうも変と言うので病院に行かせたのが4月13日。結果は食道がん余命半年!!!
信じられなかった。余命半年と言っても何もしなければ半年で、これから治療をすればもっともっと生きられると簡単に思っていた。彼女も努力した。しかし、食道がんはリンパに転移し、腎臓もやられた。投与する薬がなかった。でも入院中も彼女はパジャマなど着ないで明るい洋服を着てミーティングルームで見舞客と楽しそうにおしゃべりし、看護婦さんは俳優さんだと思ったそうだ。退院した時には旅行にも行っている。
しかしだんだんどうしようもなくなって病院に緩和ケアを勧められた時、彼女は癌を一点だけに絞って放射線を当てるという治療方法の鹿児島の病院を選んだ。その選択は良かったのかもしれない。彼女は最後まで自分の口から物を食べることが出来た。
しかし、終わりは近づいて鹿児島から飛行機で東京に彼女を運び、その2日後に彼女は息を引き取った。
東京に帰れて本当に良かった。

今日お墓にお参りした。
空が抜けるように青かった。

お墓参り2018
路子フィンランド展2
エスポーのカルチャセンター
路子フィンランド展3
フィンランドには日本びいきの人が多い
路子フィンランド展4
路子フィンランド展5
ワークショップも大好評、みんな上手に墨で書けました。
路子フィンランド展1
妹とその友達








岩国西ロータリークラブが主催して始めたがん予防教育と音楽公演。2016年には岩国中学校と麻里布中学校、2017年には東中学校と川下中学校、そして今年は10月23日に平田中学校と灘中学校を訪問した。
どちらの中学校も宏樹庵から近い地域にあり、車でよく通っている道を今日は仕事をしに通るということに少し違和感を感じながら朝9時半に平田中学校に到着した。
今回のプログラムにはフランクのソナタを入れたので自分では譜面がめくれず音楽の先生に譜めくりをお願いした。初めてなので、ピアノの調子を見るとともに、その先生と譜めくりの練習もかねて始まる前に少しだけ練習した。
初めの30分はがん予防の話、ロータリークラブの会員の方がお話しされた。そしてその後、石井啓一郎啓子ヴァイオリンリサイタルが始まる。
ドビュッシーの小舟にて、フランクのソナタより第1楽章と第4楽章、同じくドビュッシーのゴリウォークのケークウォーク、ファリャのスペイン舞曲、サンサーンスのハバネラそしてチゴイネルワイゼンというプログラムだった。
300人余りの生徒たちと多くの先生方、それに地域の方もちらほらいらしていた。みんな緊張していたのか、すごく静かに聞いてくれた。もう少しリラックスしてもいいのにと思うほどだった。でも帰りがけに会った生徒は「良かった!」と言ってくれたので少し安心した。
午後は灘中学校にて1時半から。この中学校は石井の朝の散歩道にあり、生徒たちはすれ違うと必ず挨拶する。後ろから来てもわざわざ挨拶する気持ちのいい生徒たちだ。廊下には生徒たちが活けた花があちこちにあり、華道も誰か教えているような雰囲気だ。
ここでも午前中と同じプログラムを演奏した。ここの生徒の方が少し柔らかい感じがした。最後の生徒代表で挨拶した女の子も「一番心に残ったのはフランクのソナタで、ヴァイオリンとピアノの掛け合いがとても迫力があり良かったです。」と、ちゃんと聴いていたんだなと思えるような挨拶だった。
生徒たちはクラシックの音楽はCDやテレビなどでしか聴いたことがなくて、目の前で演奏家が演奏しているのを見るのは初めてだった。普段は演奏会に行く余裕はないのだろう。でも生の演奏はやはりCDとは違うことに気が付いたと思う。こういう体験が心の隅にいつまでも生き続けてくれたらと願う。
平田中学校で
平田中学校にて

10月7日(日)午後2時より宇部の渡辺翁記念会館にて日本フィル宇部公演が開催された。

今回11回目となる宇部興産主催の地域と共に生きるという会社の理念のもとに行われてきたこの公演。今回は初めて外国の指揮者、日本フィルの首席客演指揮者であるフィンランドのインキネン氏と、ソリストには世界的に注目を集めている若手ヴァイオリニスト、木嶋真優さんを迎えた。

先週に引き続き問題が起きた。台風の接近!!前日の5時から渡辺翁記念会館でリハーサルが行われるはずだったが新幹線が強風のため止まってしまった。早めに宇部入りした楽員は良かったが、リハーサルに間に合わない楽員もいて練習を1時間繰り下げた。
当日は良いお天気になって無事本番を迎えた。
一席の余りもない満席で、友人の一人はチケットを買うのに朝6時から並んだと言っていた。10年前は元気だったのだろうと思われるが今は杖をついて歩くのがやっとという方も来ていた。みんなこの公演を楽しみにしているようだ。
プログラムはチャイコフスキーのヴァイオリンコンチェルトとブラームスの交響曲第4番。木嶋さんはロシアの大地を思わせるようなゆったりとした歌いっぷりで堪能させてくれた。ブラームスは管楽器と弦楽器の豊かな融合で幅広い音楽だった。毎年聞きにいらしているお客さんの一人はやはり毎年聴いていると指揮者によって同じ日本フィルでも少し響きが違いますねと言っていた。

翌日はインキネン夫妻(正式にはまだ結婚していなくて婚約のお相手らしいが)の広島案内役を務めた。
広島は岩国からとても近いのに観光したことがなく、ホテルの人に知恵を頂いたり、ネットで調べたりして臨んだ。初めは午前中宮島に行ってから午後原爆ドームなどを見ればと思っていたが、広島を3時に出なければならないことがわかって、広島市内だけを案内することにした。私たちだけでは言葉が不安なので助っ人に宇部の由香里さんを頼んだ。大いに助かった。ホテルでめいぷるーぷという観光バスのチケットを買って10時に出発した。
初めは広島城に。甲冑など興味深かったようだ。それからまたバスに乗って原爆ドームへ。平和記念資料館ではヘッドホンの解説付きでゆっくり見て回った。お昼は安芸茶寮という小料理屋さんにて和食。インキネンさんがアナゴ飯をリクエストされたのだが、これは私が今まで食べたアナゴ飯の中で一番美味しかった。インキネンさん達も大満足。そして広島駅に。3時過ぎの新幹線のチケットを予約していたのでゆっくりと思ったのに、今急げば前の列車に乗れるとの事で重い荷物があるのに大急ぎで新幹線ホームに駆け上るように行った。間に合った!!約1週間の日本滞在で、その後はオーストラリアの方に行かれるそうだ。短い日本滞在を楽しみ、また公演もうまく行きますように。

日本フィル宇部公演2018
続々と集まる人々
続々と集まってくるお客さん
プログラムは布製の袋に
受付でのプログラムの受け渡しはチャリティーコンサート特製の布の手提げ袋
開演前のインキネンのインタビュー
開演直前にインキネンのインタビュー
翌日は広島城へ
広島城。素晴らしいお天気だった。
原爆ドーム

平和記念公園

アナゴ飯
身がふっくらとしたアナゴ飯、山椒が効いていた。
昼食後







美しい緑色の細い脚を持った蜘蛛、庭の枝から枝へどうやって渡ったのか解らないような大きな網を張る蜘蛛、いろいろな蜘蛛がここにはいる。家の中をうろうろ歩いている蜘蛛もいる。この家を20年ほど前にリフォームした時からいて、5~7年が寿命と思われるので今いるのは何代も命を受け継いで生きている蜘蛛だと思う。よく見かけるので遊びに来た女の子が「アレックス」と命名した。正式名はアシダカグモと言って、巣は作らずあちこち歩き回ってゴキブリなどを食べる。
一昨日、大きなアレックスを見つけた。体長12~3センチはある。物差しを置いてカメラを向けても悠然としている。ずっと以前は人の気配がするとこそこそと隠れていたが、最近は、もうここは自分の住んでいる所なんだから、と人が歩こうが、掃除機をかけようが自分の意のまま。一昨日のはとても大きかったが、普通は5センチくらいでこれほど黒くない。夏、遊びに来た子が、トイレなどにじっとしているアレックスがいると怖くて大人を呼びに来たりしていたが、アレックスは人には何の危害も与えない。一緒に住んでいるという感じだ。私などはゴキブリを食べてくれるので有り難いと思っている。「そんな所にいたら踏んじゃいそうだからどいて!」などと話しかけたりする。

池のそばにはどうやら蝮が1匹住んでいるようだ。
この夏はこの辺りに蝮がよく出て、うちでは蝮を焼酎漬けにして飲んだり、怪我をした時の薬に使ったりしているのを知っている近所の人がペットボトルに閉じ込めてよく持ってきてくれる。そんな蝮がこの夏だけでも6匹にもなった。でも宏樹庵の池の蝮は夏バーベキューや流しそうめんをみんなでした時も池のほとりの岩の上で日向ぼっこをしていたり、こちらを見ても優しい目をしているので捕まえないで放ってある。

網戸には夜よく守宮が出てくる。蛾などを一瞬のうちに食べるのを子供たちも見ていた。
カエルやカマキリ、カブトムシなどもいる。
宏樹庵ではみんな一緒に生きている。

大きなアシダカグモ
大きなアレックス
マムシ
こちらを見る蝮
網戸のヤモリ
獲物を狙う守宮
カエル
池のまわりの苔で休むカエル。カニも時々出てくる。
カマキリ





全員集合2018


9月15日から3日間ミュージックキャンプ宇部2018が開催された。
42人の受講生を桜庭茂樹、石井啓一郎、石井啓子の3人が指導する。
受講生のうち最年少は小学5年生、中学生は3人、高校生2人。最年長は67歳。ヴァイオリンを教えたり演奏会で弾いたりしている人もいれば、普段は音楽とは全然関係ない会社などで働いている人もいる。共通点は音楽が好き、演奏するのが楽しい。リピーターが多いが、今回初参加の人は8人。メンデルスゾーンの八重奏曲やドヴォルザークの弦楽五重奏曲、ベートーヴェンのピアノ三重奏曲「大公」など大曲がたくさんプログラムに並ぶ。
15日と16日は朝9時半から夜8時過ぎまでユースホステル、俵田邸、福祉会館でレッスンが行われた。17日は日立建設ミーティングホールにて9時過ぎから会場練習、そして1時開演。3時間以上の長い演奏会だった。
みんなそれぞれに熱演だったが、本番特に良かったのはドヴォルザークの弦楽五重奏曲第1楽章を弾いたグループ。第1ヴァイオリンは大変高度な技巧を要する曲だが、見事に弾き切り、ほかの奏者を引っ張って音楽の流れも良く、情感にあふれていた。宇部のミュージックキャンプはチェロの奏者が多いので、今回3年前に取り組んだヴィラロボスのチェロ八重奏曲「ブラジル風バッハ」を再演。前とは違うメンバーも入ったが、やはり迫力満点の演奏だった。
子供たちはどんどん成長して、みんな大曲にも取り組めるようになったので、初心者らしき人がいなくなってしまった。このミュージックキャンプはよくあるプロになるための講習会ではなく、それぞれのレベルで最高の音楽を楽しむという趣旨なので、来年はもっと小さい子も誘えたらと思う。
二日間食事の用意をしてくれたメンバーもよく頑張った。40人分のお腹も大満足で楽しい会だった。
お疲れ様!

俵田邸レッスン
俵田邸でのレッスン風景
バガテル
いつも家族で演奏する江波家。一番下の男の子も大変上手になった。
合奏宇部2018
合奏曲はバルトークのルーマニア舞曲
ヴィラロボス
ヴィラロボスの会場練習
お客さん
たくさんの方が聞きにいらして下さった。

ドヴォルザーク弦楽五重奏曲
ドヴォルザークの弦楽五重奏第1楽章 練習の時より本番が更に良かった。





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