カテゴリ: 宏樹庵便り

4月2日日曜日午後2時よりシンフォニア岩国多目的ホールにて石井啓一郎ファミリーコンサートが開催された。
愛の挨拶に始まり、チゴイネルワイゼンで締めるといういつものパターンで、今回内側に入るのはヘンデルのヴァイオリンソナタ、クライスラーのレチタティーヴォとキャプリス、シンコペーション、ウィーン奇想曲、クーラウのフルートとヴァイオリンとピアノによる協奏的三重奏曲。休憩を挟んでシューベルトの即興曲と幻想曲、そしてウクライナと日本の歌をフルートで。ヴァイオリン1本で弾くことはあまりなかったのでレチタティーヴォとキャプリスは新鮮だったとの感想を寄せて下さった方もいたが、拍手が一番多かったのは3人で演奏した三重奏曲だったように思う。
お客さまは昨年並みに130人ほど。このコンサートは今回で22回目。ずっと聴き続けている方の中にはもう高齢になって来れなくなった方もいる。その代わりに初めてという方がかなりいてありがたいことだ。
コンサートの形も多様化し、オンライン配信があったり、ゲームの音楽ばかり集めたプログラムでやったり、お客さんをどうやったら集められるか皆苦労している。でも、今回も会場に足を運んで下さった方々は、真面目に取り組んでいる音楽を肌で感じて、自分の生きていく力にもなったのではと思う。思いたい。「すごく良かった!」「涙が出ました!」「夢のような時間でした」などの声が寄せられた。
耳だけで聴くのではない。目で見て、肌で感じて、会場で一緒に聴いている人全体の、そして演奏している人の、息づかいを感じてコンサートは成り立つ。
初めていらして下さった方々、どうぞ来年もお運びください。

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1月20日(金)午後6時より米軍基地内の教会にて「洋楽器と和楽器のアンサンブルコンサート」という演奏会が開催された。
13弦と17弦の琴の伴奏に乗ってヴァイオリンが夕焼け小焼けなどの歌を演奏。演奏するのは以前米軍岩国基地の総司令官だったファーストさんの娘さん。彼女は日本が気に入って両親がアメリカに帰ってしまった後も日本に残り幼稚園の先生をしている。その仕事もこの3月で終え帰国することになった。この演奏会はお別れの意味も含まれていた。彼女はアメリカでヴァイオリンを弾いていたが日本に持ってこなかったので調達してほしいと頼まれ高額ではないヴァイオリンを探してあげて以来私たちと知り合いになった。琴を演奏するのは基地内でも琴を教えている藤本順子さんとその仲間。
2曲目は琴にアメリカ人も加わって3面の琴で月下美人という曲。アメリカ人の男性は藤本さんのお弟子さんで袴を上手に着こなしほかの二人に溶け込んで弾いていた。
3曲目は藤本さんと石井啓一郎で月光幻想曲。これは筑紫歌都子作曲で起伏もありなかなか良い曲だった。昨年から何回か合わせて練習し当日に臨んだ。
休憩をはさんで今度はヴァイオリンとピアノで浜辺の歌、ウクライナの歌「鶴」、チゴイネルワイゼン。アンコールはポリアキンのカナリア。
お客さんは多くはなかったが、皆とても楽しんでいたようだった。ヴァイオリンとピアノの演奏の時、近くで聴こうと思ってか最前列の椅子の前の床にしゃがみこんで聴いていたり、日本では考えられない行動にびっくりしたが、終演後は何人かの人がわざわざ私たちを取り囲んで嬉しそうに話していた。洋楽器の演奏会と和楽器の演奏会の作法の違いもあった。和楽器の人たちは演奏の前、誰も舞台裏に待機していなかったので開演時間にちゃんと始まるのだろうかと私は不安になった。開演のベルもなく、司会の人が話し始めてやっと演奏会は始まった。
基地内に入る手続きは直前まで変更があり、藤本さんはずいぶんと気を揉んだことだろうと思う。でも良い経験ができた。携わってくれたみんなにありがとうと言いたい。


基地演奏会3


基地演奏会2
石井はミミちゃんの歌にオブリガートで寄り添う


基地演奏会1
アメリカ人は基地内の学校で美術を教えているそうです


基地演奏会4


基地演奏会6

基地演奏会7


昨年初めて開いた中井の私の実家での元旦コンサート、今年は私のアンサンブルシリーズが1月12日にあったので元旦には出来ず、1月15日になってしまったが午後5時半から開かれた。
エルガー 愛の挨拶 石井陽子 石井啓一郎 石井啓子
ショパン ワルツ作品69-1 米本幸子
バッハ G線上のアリア 加藤史子 石井啓子
クレメンティ ソナチネ作品36-3全楽章 増渕絢香(小6)
ウクライナの歌 鶴 石井啓一郎 石井啓子
ポンポンピアノ 思い出のアルバム 増渕ほのか(小2)
平吉毅州 真夜中の火祭り 米本一青(小2)
外山雄三編曲 浜辺の歌 石井陽子 石井啓子

というプログラム。皆に配るプログラムは晴香がipadで上手に作って印刷してくれた。中学1年生。こんなこともできるようになった。彼女は中学で吹奏楽部に入りユーフォニウムを吹いていてヴァイオリンはしばしお休み。参加者は中井の母 米本幸子、米本宏二郎一家3人、加藤一家(妹家族)2人、増渕一家(陽子家族)5人、岡崎一家(叔母)4人。
母の本番に向けての練習は95歳にしては並々ならぬものだった。日頃腰が痛いと言っているのに、ピアノに向かっている時間はそれを忘れるようで、もう止めたらとこちらが思う程一生懸命練習していた。昔はある程度弾けていたのだと思うが、私が生まれてからは一度もピアノに触れたことがなく、私も一度も母の演奏を聴いたことがなかった。それが、中井にある昭和8年製のピアノをなんとか弾けるように直してもらったお陰もあって、70年ぶりに母は弾いてみたいと思うようになった。本業の書にも向かっているが、ピアノの方が楽しいらしい。
頑張れ、96歳 ウサギ年!!

元旦コンサート9
愛の挨拶

元旦コンサート8
ショパンのワルツ

元旦コンサート7
G線上のアリア

元旦コンサート6
クレメンティのソナチネ

元旦コンサート5


元旦コンサート4
ポンポンピアノと思い出のアルバム

元旦コンサート3
真夜中の火祭り
元旦コンサート2

浜辺の歌

1月12日(木)午後7時より東京文化会館小ホールにて石井啓子アンサンブルシリーズⅩⅩⅩⅡが開催された。
クーラウのフルートとチェロとピアノによる協奏的三重奏曲作品119、メンデルスゾーンのピアノ三重奏曲1番と2番というプログラム。これは本来昨年1月28日に演奏される予定だったのが出来なくて今回に至った演奏会。未だにコロナは収まらず、その上インフルエンザも流行して世の中がちっとも落ち着かない状況なのだが、人それぞれにとらえ方はまちまちで、お客様も300人ほど集まって下さった。
クーラウは譜面上は技術的にそれ程高度ではないのだが、とても弾きにくい箇所があったり何とはなしに弾くだけでは何の面白味もなかったり、難しかった。陽子は天性の歌心で演奏し、桜庭さんはとても難しい音の並びも彼の技でクリアし、私はとにかく二人に乗って楽しく弾くことを心掛けた。
メンデルスゾーンの三重奏1番はあまりにも有名な曲で、誰でもが弾いてみたい曲なのだが、CDのどれを聴いても私は満足がいかず、自分流に弾いてみようと思った。それがすべて上手く弾けたかどうかはわからないが。
2番は部分的に、あるいは全曲、一応人前では弾いたし、曲の流れには安心感があった。
当日聴きに来てくれた批評家の一人が自身のブログに「ピアノが非常に音楽的で、自ら感じた音楽の道筋を起伏豊かに表現している」と書いて下さった。が、私としては共演者の力によって私の演奏は成り立っていると思っている。
お客様からは「2年分の想いが伝わりました」「ピアノの柔らかいタッチやチェロの情感のこもった低い歌声、ヴァイオリンの独特な節回しなどが一つになって心地よい諧調に耳も心も委ねられた」などの感想が寄せられた。私の演奏会、6月のリサイタルも同じだが、この演奏会に来れば久しぶりにあの人に会えるという期待感で来るお客さまが多い。演奏の心地よさの他にもそういった人とのつながりが感じられる演奏会。これも長年続けている宝物かもしれない。

アンサンブルシリーズⅩⅩⅩⅡ-1
終演後楽屋で陽子と

アンサンブルシリーズⅩⅩⅩⅡ-2
演奏者全員集合  みんな頑張ったね、ありがとう!

11月2日岩国西ロータリークラブが企画している「癌予防の講演と演奏会」のため周東中学校に行った。
午後1時35分から30分ロータリーの会員で息子さんを肺癌で亡くされたK氏が講演し、引き続いて2時15分からヴァイオリンとピアノの演奏が始まる。生徒数は320名余り。女子の制服はセーラー服だった。きちんと座って静かに聴いてくれた。石井のトークにもおとなしいが反応して、ちゃんと聞いているのが感じられた。プログラムは先日のウクライナ支援チャリティコンサートで演奏した小品7曲とアンコールにはカナリア。
この企画は2016年に西岩国ロータリークラブが提案し、初年度は岩国中学校と麻里布中学校、2017年は東中学校と川下中学校、2018年平田中学校と灘中学校、2019年玖珂中学校と続き、大変好評で新聞にも取り上げられて本郷中学校の校長先生からうちでもやってもらえないかと電話がかかり、そこへも行ったりした。しかしコロナの蔓延でやむを得ず中断、今回は久しぶりの再開となった。
榎本校長先生はヴァイオリンの生の演奏を聴くのは初めてとおっしゃっていた。生徒の中にも聴いたことのある子は少なかったのではと思われる。サラサーテの曲が多かったのでヴァイオリンの色々な奏法が出てきて「ヴァイオリンてあんな音も出るんだ!」とびっくりしたようだった。
生徒の7割が自分のスマホを持っていると言う。
学校への持ち込みは禁止されているが、家でのスマホ時間は相当長いのだろう。中には中毒になりかかる子もいて校長先生は心配している。でも、学校内での生活は今とても落ち着いていて以前のような問題児がいなくなったとの事。お利口さんばかりではつまらないが、活力のある子供たちに育ってほしい。
周東中学校2022.11.12 3

周東中学校2022.11.2 21

周東中学校2022.11.2 1

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