日本フィルは1975年から学校の夏休み期間中に「親子コンサート」を東京近郊何か所かで開催している。



柔らかな感性を持つ子供たちにこそ音楽の持つ力の素晴らしさを届けたいという思いからだ。42年間で延べ600公演に120万人が来場していると言う。一応4歳からという規定はあるが、うちの孫どもは3歳から楽しんでいる。最近は「親子」ではなくて「おじいちゃんおばあちゃんと孫」というケースも多くなっているようだ。そのためではないだろうが、タイトルも「親子コンサート」ではなく「夏休みコンサート」になった。



演奏会は3部構成で、1部で本格的なクラシックのオーケストラ曲を聴かせ、2部ではバレエなど(今年はプロコフィエフのシンデレラ)が入って見た目にも楽しい。3部は子供たちが知っている歌をオーケストラをバックにみんなで歌う。



今、子供たちだけでなく、大人も一人でゲームをしたり、パソコン上でやり取りをしたり、或はユーチューブなどで一人で音楽を聴いたりすることが多くなっている。生身の人間を避けているように、挨拶も顔を見てしないと言う。



演奏会というのは、生身の演奏者が渾身の力で演奏し、それを聴く方も受け身ではなく、自分自身の身体の全てを使って聴いて、そこに感動が生まれる。そして、演奏会に来ている人達みんなでそれを共有する。



夏休みコンサートに来る人達は音楽通の人ではないと思う。でも、足を運んで聴いてみたら演奏会終了後の気持ちは何か楽しくなっているはず。家族で聴いた人たちは家庭に帰ってからもその話題で話すことになろう。



 



今年8月9日(火)に初めて京都で夏休みコンサートが開催される。



永年日本フィルも関西での公演を考えてはいたが、予算の面で実現できなかった。今年、京都に本社を置くローム株式会社の冠のもと、新しく完成したロームシアター京都オープニング記念事業の一環としてやっと開催にこぎつけた。



関西にもいくつかのオーケストラはあるのだが、どこもまだ夏休みコンサート的な企画は手がけていない。実力のある日本フィルの夏休みコンサートが、今回限りではなく、関西の子供たちの中にも是非浸透してほしい。



 



6月19日私達はそのために京都に出かけた。



集まったのは日本フィル事務局の人と私達のリサイタルでお世話になっている人達。



それぞれの人が何枚チラシをどこに配って、どうやって宣伝し、チケットの販売はどうやってすればいいか、知恵を出し合った。



さあ、頑張らなくては。