8月22日(土)午後2時よりシンフォニア岩国多目的ホールにて恒例の石井啓一郎ファミリーコンサートが開催された。
出演は石井啓一郎、石井啓子、石井陽子の親子3人。
昨年8月にやはり3人で演奏会に臨んだ時、陽子はお腹に子供を宿していることに気が付いていなかった。演奏会が終わってからそれがわかり、その後2月の出産まで大変だったのでしばらくフルートはお休みしていた。不思議なくらい無事に女の子が生まれてきて、今回の演奏会で演奏活動を再開。この演奏会の後、秋から冬にかけて陽子も出演する演奏会がいくつかあるので、子育てをしながら練習にも励まなければならない。
3人の演奏によるエルガーの愛の挨拶に始まって、30分の大曲フランクのヴァイオリンとピアノのためのソナタ、後半はフーバイのヴァイオリンのための小品2曲に続いてフルートでエネスコのカンタービレとプレスト。3人でドップラーのアメリカ民謡によるデュエット、そして最後はいつものチゴイネルワイゼン。チゴイネルワイゼンは毎回演奏するがアンケートではいつも良かった曲のナンバーワン。皆が大好きな曲の一つだ。ところが今回はハプニングがあった。チゴイネルワイゼンの、もう少しで終わりになる所で弦が切れた。弓の毛が何本か切れることはあっても弦が切れてしまっては演奏を続けることは出来ない。仕方なく退場して新しい弦を張ってからもう一度チゴイネルワイゼンのテンポが早くなる所から弾きなおした。演奏会の前には弦の状態など点検するのだが、こういう事もたまにある。お客様にとっては新しい体験だっただろう。
全体としては「ファミリーならではの暖かい雰囲気」と好評だった。

翌23日(日)の午後2時からは岩国市美和町のハーモニーみわにて演奏会。
市の中心部から山を越えて車で1時間ほどの美しい里山美和。そこで開業以来60年という歯医者さんが主催する演奏会だった。
ホールは400席ほどある立派なものなのにほとんど使われていないようで、クラシックの演奏会はもちろん初めてとのことだった。
でも大勢集まって下さったお客様はとても静かに聴いて下さって、拍手の仕方などはわからなかったようだが、引き込まれている雰囲気が演奏する側にも伝わった。石井親子の演奏のほかに、美和町出身のソプラノ歌手も共演して拍手喝さいを浴びた。彼女はイタリアでも勉強したことのある二期会会員だが、難しい日本歌曲を情緒たっぷりに歌いあげた。

ファミリーコンサート
シンフォニア岩国での演奏
ファミリーコンサート2015楽屋
終演後、楽屋にて