5月29日(木)札幌市の時計台ホールにて石井啓一郎&啓子デュオコンサートが開催された。
朝6時過ぎに家を出る。道は空いていたが、空港直前で一車線、長蛇の列で車が並んでいた。岩国のアメリカ軍基地内に入る車だった。7時出勤なのだろう。おびただしい数の人々が基地内で働いているという事実を目の当たりにした。
7時35分、予定通りに飛行機は離陸した。お天気も良い。羽田で乗り継いで千歳空港に正午少し前に着いた。ホテルで休憩し、夕方ホールに入った。札幌の風景として有名な時計台は代々ねじを巻く人が受け継がれていて、今も毎時鐘が鳴る。その建物の2階、もとは北大が演武場として使っていた場所に教会のような木の長椅子を並べ、ホールになっていた。古い木の建物なので響きは暖かい。しかし、冷房はなく、開け放たれた窓からは救急車のサイレン、激しい往来の車の音などが容赦なく入ってくる。
7時の鐘の音を合図に演奏は始まった。
エルガーの愛の挨拶を皮切りに、モーツァルトのホ短調ソナタとエルガーのソナタ。また8時の鐘の音を聞いてから後半が始まる。後半は山口やヴァレンシアの民謡を中心に小品の数々。札幌でのデュオコンサートは何年ぶりだろうか。窓からの騒音が気にならないくらい集中して演奏し、聴衆の反応も大変よかった。
翌日はバスで旭川に移動した。車窓から見えた広大な大地一面を染める菜の花畑が美しかった。
夜、木楽輪(きらりん)でコンサート。
旭川でのコンサートは昨秋以来7か月ぶり。涼しいはずの旭川だが、この日は異常に暑かった。ニュースでも道内で5月に30度を記録するのは50年ぶりなどと報じられていた。チラシには100名限定と書いてあったが100名以上の人が集まって下さって、その熱気でも暑かった。終演後いつものスナックで打ち上げがあり、ビールが殊の外美味しかった。旭川では毎年コンサートを開いているので家に帰ったような気分だった。人々は気取らず暖かい。実行委員のメンバーは高齢化して施設に入る人も出てきているが、新しい人も入り、啓&啓倶楽部旭川支部の人数は常に30名くらいを保っている。感謝。
翌日の飛行機で岩国に戻った。

1月に大手術を受けた者にとっては大変強行なスケジュールだったが、新たな出会いもあり、演奏家として新たな気持ちで再出発した記念碑的なコンサートとなった。

時計台

アドリブ
旭川の打ち上げでは毎回演奏付。したたかに飲んだ後の演奏・・・