ピアノ三重奏や弦楽四重奏などの室内楽の楽しさは、一緒に演奏している相手との緊張したやりとりや、重なり合う喜びを感じ、自分だけでは到達できないほどの音楽の高みに行ける事にある。
東京で大人や子供達にもずっとそういう室内楽の指導をしてきた。
1999年に宏樹庵ができ、2000年に岩国でもそれを始めた。
みんないつも岩国にいるわけではないので、5月の連休中だけ全国各地から岩国に集まってきて、集中的に練習し最終日に発表した。その披露演奏会では、自分の音楽を聴衆に押し付けるのではなく、聴いている方も楽しんで下さるようにと、500円だがちゃんと入場料も頂く。石井も、
「うん、その演奏なら700円取れる・・・」
などと言いながら教えている。
その講習会、名付けて「ミュージックキャンプ」

昨年、宇部でもやってほしいとの事で、9月の連休中に開催した。
岩国のミュージックキャンプは各地から集まってくる人たちか宿泊するので、音楽の勉強だけでなく、レッスンが終わった後お酒を飲みながら色々な話題で盛り上がり、バーベキューをしたり、林の中を駆け回ったり、子供も多いので賑やかだ。
でも、宇部の方はほとんど宇部近郊の人達ばかりなので、レッスンを受けに来て帰るというパターンだった。
昨年に引き続き、今年も宇部で開催が決まった時、岩国を経験している一人の人が、宇部でもバーベキューなどをしたいと言い出して準備してくれた。私達は湖畔のユースホステルに泊まり、そこの屋外で、何と彼は篝火を組み立てて、火を燃やした。岩国のような本格的なものではないが充分に雰囲気は出せた。
普通のバーベキューのほか、彼は大きな鳥の丸焼きまで作ってくれた。中にハーブをいっぱい詰め込んで、竹の棒に刺して焼いたそれは、大変豪勢であり、美味しかった。
石井が小学校から中学に至るまで育ったのは、この湖のもう少し向こう側のほとりだった。その育った環境とほとんど同じような景色のユースホステルは、大変古い建物ではあるが、石井は大いに気に入ってしまった。そこの支配人のおばさんは、いつでも自分の家のように使って下さいと言ってくれるので、早速登録し会員になった。ピアノもあるし、これからはここも一つの拠点となりそうだ。

9月16日午後2時からヒストリア宇部で開かれた演奏会には、70名余りのお客さんが集まり、ベートーヴェン、ハイドンのピアノ三重奏曲や、シューベルトの弦楽四重奏曲、弦楽合奏など13のグループの演奏を楽しんだ。



俵田邸で行われたレッスン
家族でベートーヴェンの「大公」に挑戦


今回は弦楽六重奏もあった
下関の人達の初参加


昨年も参加した小学2年生


組み立て式の篝火


立派な鳥の丸焼き


弦楽合奏
芥川也寸志とグリークの二曲