鷺二羽の蓮田に舞ふや風光る

水の張られた蓮田は静かに新緑の山を映している。
そこに白鷺二羽が降り立った、と思いきや、一羽の鷺が飛び上がり、それを真似するかのようにもう一羽の鷺も飛び上った。お互いが交互に飛んだり降りたり、まるでダンスをしているようだった。

宏樹庵の池で蛙が鳴き始めた。
竹林では竹の子がニョキニョキ伸びて、てんぷらにしようかーーと思ったら1本だけ掘ってくる。5分もかからないうちに持って帰る。すぐ食べるときはさほどアク抜きをしなくても大丈夫。柔らかくておいしい。わらびと竹の子を一緒に煮て山椒の葉を散らしてもおいしい。みんな庭のもの。

先日、巨大な一枚板のテーブルが届いた。
4月初め、宏樹庵のいろいろなことをお願いしている大工の久良さんが、こんな板が手に入ったのですが、と大きな橡の板を見せに来た。
家の中に入れるのに、ガラス戸を2枚外さなければ入らないほど大きくて厚い板。
前々から一枚板のテーブルが欲しかった私達は、その板に移動可能にするための車を埋め込んだ脚を取り付けて高さ30センチのテーブルを作ってもらうことにした。
それが完成して4月22日に家の中に運び込まれた。
幅151センチ、長さ211センチ、厚さ6.5センチ。ただし自然木なので長方形ではない。斜めに切ってあるので、もしかしたらこの大木は少し傾いて立っていたのかもしれない。真ん中に亀裂が入っている。二股に分かれようとしていたのか。木目はあちこちでゆらゆら揺らぐような感じで揃っていない。見方によっては様々に見える。
とにかく大きい。
でも、宏樹庵の暖炉の前に置いて不思議と威圧感は無い。
これだけの大木がどこにあったのだろうか。人の入らない山奥だったのか。樹齢は100年は優に超えているだろう。500年くらいかもしれない。これだけの大木を何故切ることになったのだろうか。

でも木は切られても生きている。この宏樹庵全体の木が生きているように、テーブルになった木もここで生き続けるだろう。様々な人の手のぬくもりを感じながら。


一枚板のテーブル