2月28日(日)宏樹庵ディナーコンサートが無事終わった。

前日の激しい雨で、せっかく散らずに保っていた庭の梅の花はもう一輪も残っていなかった。でも、玄関前の壷にはスタッフの庭からもらってきた大きな枝が活けられ、うす桃色の梅の花が見事に咲き誇ってお客様をお迎えした。

4時頃からお客様が集まり始め、5時開演。今回はフルートの石井陽子も宮城道雄の春の海など3曲を披露。いつものチゴイネルワイゼンで閉じるまで1時間15分ほど演奏が続いた。

それから少しの休憩をはさんでディナーが始まる。

岩国寿司、大平、ハスの酢の物、お刺身、牛のたたき、鰆の南蛮漬け、地鯵のおからまぶし、春野菜の白和え、ポテトサラダ、きんぴら、カナッペ、八朔と柳井いちご。すべて地元の素材で手作り。

食器は大きな竹を輪切りにしたもの、縦割りにしたもの。これもスタッフの手作り。これだけ太い竹を探すのも大変だし、それを切り出してきて節をうまく使ってすべすべのお皿にするにはいろいろと道具が要る。お酒をバーベキュー用のコンロでお燗をする竹もいつも作る。初回の時より改良されて、お酒が上手に注げて、注ぐ時、立てる時にトクトクトクと良い音が鳴る。取り箸にも工夫が凝らされている。青い竹の色を一つの面に残し、先を細く、磨いてある。コップも竹製。口当たりが良いように昨年も上側が薄く削られていたが、今回は竹の青さを損なわないように内側が削られていた。これを40個余りも作るのだから相当手間がかかっている。お客様の中には大層これが気に入って持って帰る方もいらした。

庭の竹灯篭は宏二郎が作る。スタッフが取ってきてくれた竹をのこぎりで適当な長さに切って、いろいろな角度に切ったり、切り込みを入れたりして中にろうそくを点すと、竹の内側がほんのり赤く染まり、光が揺れる。庭のあちらこちらに大小の竹灯篭を並べ、陽が落ちると庭は幻想的世界になる。

ちょうどこの晩は十三夜で、ほとんどまん丸のお月様が楽しげな宴を天上から見ていた。


月が見ている竹灯篭


月が見ている竹灯篭

石井陽子の演奏「春の海」

宴たけなわ

スタッフ作成の竹コップ