幸風会書展が11月22日から27日まで銀座の鳩居堂にて開催された。
これは母、米本一幸の社中展で一年おきに鳩居堂で開かれている。しかし母も高齢になりもう教えられないからと昨年中止しようかと母は悩んでいた。お弟子さんたちの意見も聞き、圧倒的にやりたいという意見が多く、先生にはご指導をいただくだけで開催の準備はすべて私たちが進めますからと言われ、母も自信がないまま年が明けた。年明けてからは母はだいぶ体調も良くなり、久しぶりの旅行にも行けた。
しかし8月、母は倒れた。救急車で運ばれ入院。私はもう自宅で一人で過ごすことは無理と思った。適当な施設がないかいろいろパンフレットも取り寄せたりした。でも、お陰様で病状は回復し退院できて自宅に戻ってこれた。ヘルパーさんの助けを借りて自宅でリハビリをしながらだんだん元気になってきた。
そして11月22日、とてもお天気の良い日、書展の初日を迎えた。家から一歩も出られなかった母が会場に足を運んだ。お弟子さんたちは大喜び!会場には30人のお弟子さんたちの思い思いの心のこもった書が繊細ながらも華のある雰囲気で展示されていた。
私は最終日27日に行ってみた。母はその日も朝から会場に詰めていた。あの夏の入院していた時には考えられなかったことだった。その日は母の95歳の誕生日だった。会が終わる時、お弟子さんたちから花が送られ、みんなでハッピーバースデーの歌が歌われたそうだ。後でお弟子さんの一人が、久しぶりに大きな声で歌いましたと幸せそうに私に話してくれた。
帰宅してから二人でささやかにお誕生日のお祝いをした。
本当に夢のような日だった。


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母の書の前で

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お誕生日の花束
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二人用のケーキ
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お誕生日おめでとう!これからも好きなことができますように!