奥出雲。ここでは世界でここでしか使われていないやり方で純度の高い鉄製品ー日本刀、包丁、農機具などを作り続けていた。
「たたら」と呼ばれるその工法。
砂鉄を多く含む山を切り崩して、水に流して砂鉄を採取。山林の樹木で良質な炭を作り、粘土質の土で大きな炉を作ってその中に砂鉄や炭を入れて 3日3晩燃やし続けて鉄の素、玉鋼を作る。それを何度も何度も熱しては打ち熱しては打ち製品にする。気の遠くなるような工法。こうして出来上がった日本刀などは世界に誇れるものとなった。
江戸時代、松江藩主松平不昧公は鉄師を大切にして産業として発展させた。
今回その工法を知り大変興味深かったが、 それと合わせて驚いたのは、鉱山は鉱物が採取されている間は繁栄するが、採り尽くされた後は荒廃し、人も住めないようになるのが一般的だが、ここでは山を切り崩した後を棚田にして、砂鉄を流した水脈を棚田に引き入れ見事にあちこちを農地に変えて人々が豊かにそこで暮らせるようにしたことだった。そこで採れるお米は全国の品評会で金賞を取る程美味しかった。
鉄師の住んでいた館は記念館として何軒か公開されていて、私達はその一つ糸糸原家を訪れた。
たたらの精巧な模型もあったが、何代も続くその人達は茶道にも長けていて庭には様々な山野草が植えられていた。人柄の奥深さが感じられる。
もう花の終わったヤマシャクナゲの鉢植えがあったので買い求めて帰った。可憐な花が来春咲くのを楽しみにしている。 

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 糸原家の庭にて(糸原家の糸は糸を二つ並べて書くのが正式)