2022年05月

母はコロナが流行る少し前から腰痛がひどくなり、車での遠出はできなくなっていた。そこにコロナが来て、よく通っていたお医者さんも止めて訪問診療にしてもらい、処方されるお薬も届けてもらうようになって、家から一歩も外へ出ることはなくなってしまった。頭がふらふらすると言ってよく家の中でころんでいた。昨夏は特に体調が悪くなって、電話をかけても全然話が通じず、言葉もはっきり言えなくなって慌てて私は上京し様子を見た。93歳、もう先は長くはないのかと心配した。身体の芯が冷えると言って冷房も適切にはかけていなかったので熱中症の一種だったのかもしれない。涼しくなってきてから徐々に快復し、ピアノを弾くようになってからは腰の痛いのを忘れる程になった。昨年11月で94歳。本業である書も書いてはいるが、ピアノを弾くのが楽しいらしい。一日のうち何回もピアノに向かっている。------------
そこで、元気なうちに温泉に連れて行ってあげようと私は思い立った。
陽子のところには大きな車があり、秀一君は運転が上手。一緒に行ってくれないかと相談したところ快諾。母にも恐る恐る旅行の話を持ち掛けたら、はじめはえーっ!と言ったが、まんざら嫌でもなさそうだった。もう何年も出かけたことがないので遠くへは行けない。陽子があれこれ宿を探してくれた。紆余曲折があり、やっと決まったのが水上温泉の松乃井旅館。車椅子も借りて、5月21日朝10時半頃、いよいよ出発。雨が降ったり止んだりのあいにくのお天気だったが、ザーザー降りではなかったので途中のトイレ休憩の時も傘を使うほどではなかった。水沢うどんの有名なところでお昼を食べて、道の駅にも寄って、2時過ぎに宿に到着。ゆっくり休んで、お風呂にも入ってから夕食。大きな宿屋でお客さんも多かった。ビュッフェ形式の食事だったので、柔らかいものばかりを選んで母に食べてもらった。子供たちはフライドポテトや肉まんなどびっくりする程食欲旺盛!!  
翌日は晴れ間も出てきた。すぐ近くで水仙祭りをやっているのを知り、まずそこへ。冬はスキー場になるところに一面にチューリップや水仙を植えてあり、こんな季節にとびっくり。リフトがあり、母も乗ると言うので私と二人で乗って山の上へ。山の上からは遠くの山々が見え気持ちが良かった。陽子たちはそこから歩いて花を見ながら下山、私と母は下りもリフトに乗って楽しかった。
それから、車で30分ほどの所にあるロックハート城というイギリスの古城をシベリア鉄道で輸送、移築、復元したお城へ。イギリス庭園にバラが咲き乱れている写真を見たので期待して行ったのだが、標高700メートルの所ではバラが咲くのは6月中旬とのことで全然咲いていなかった。そのかわりシャクナゲが見事だった。オオテマリやライラックなども咲いていた。みんなでお昼ご飯を食べてから、お城まで行くのは階段があって車椅子では無理だったので陽子達だけが登って行って、私と母は下で待機。お城も楽しかったようだ。

私はもうこれっきりと思って提案した4世代の一泊旅行だったが、家に帰ってからも疲れてふらふらすることもなく。陽子達がみんなとてもよくしてくれたので満足そうだった。
今回は緑が美しかったが、紅葉のころまた行けるだろうか。


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チューリップや水仙が一面に咲いていた

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山の上で。リフトに乗る時、車椅子は下に置いてきたので母は少し歩いた。

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陽子たちは歩いて降りた。遠くの山々が見え気持ち良かった。

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リフトに乗る。もう少し季節が前だったらこの下にも水仙がたくさん咲いていたみたい。

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ロックハート城。
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イギリス庭園。お目当てのバラは咲いていなかったけど、緑が美しかった。
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曽おばあちゃんに地図を見せて、今ここよと説明するひ孫。
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シャクナゲが見事でした
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お城の前で

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秀一君の車と母




パチパチッ、パチパチッ!
ミュージックキャンプが終わって間もない5月8日のお昼過ぎ、掃除をしていたら妙な音がするのに気が付いた。宏樹庵の庭の生垣を隔てた直ぐ向こう側には昔は畑を作っていたが今はもう荒れ放題になっている土地がある。1年に1,2度筍の季節になると管理している人が筍の伐採に来る。そのおじさんがそこで何か作業をしているのかと思い、門を出て見に行った。しかし誰もいない。
パチパチッ、パチパチッ!
音はだんだん大きくなってきた。どこかが火事だ!
宏樹庵の西側の坂を 降りるとそこに誰も住んでいない古い家がある。もしかしてそこ?そこだったらすぐに宏樹庵の林に燃え広がってしまう。私は走った!しかしその家は無事だった。そこから遠くに黒い煙が空高くあがっているのが見えた。田んぼの向こうだ!
戻って来て、今度は竹やぶの小径を出た所に行ってみた。そこには火の元を見つめている近所の人が集まっていた。こんもりした林の向こうでパチパチと大きな音を立てながらメラメラと火の手が上がっている。あの辺りは荒れた野原だと近所の人が話している。車が通れない道しか無いとも。こんなにパチパチと大きな音がするのはきっと竹が燃えちょるんじゃろうねぇ。
音がし始めてからもう30分以上経っているのにまだ消防車が来ない。折からかなり強い風が海から宏樹庵に向かって吹きあげている。ああ、早く消してくれないと燃え広がってしまう。あっ!隣接する一軒の家が燃えた!
やっと向こう側からの放水が始まった。こちら側の公園の所にも消防車が2台来たが道がないので火の元に近付けない。ホースを繋ぐ。早く、早く!
炎は次第に見えなくなった。しかし白い煙がまだまだ出ている。完全に消さないとまたどこから燃え出すか分からない。心配そうに見守る人の数も知らない間に増えていた。
3時過ぎにやっと消え、見ていた人達も帰っていった。
やれやれ延焼しなくて本当に良かった。怖かった。まだ心臓がドキドキしている。 

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向こうに家が並んでいる辺りが火事現場。右の近景が宏樹庵の竹やぶと林
 

5月3日から宏樹庵と黒磯自治会館にてミュージックキャンプ2022が始まった。
桜庭先生と何人かの受講生は2日に来て練習を始めた。
今回の参加者は東京から4人、神奈川から3人、埼玉から4人、西宮から4人、京都から1人、大津から3人、宇部から5人、山口から4人、周南から1人、広島から4人、柳井から2人、岩国から5人の40人。初心者からプロの人達までそれぞれが真剣に曲に向き合い練習に励んだ。岩国、柳井からの初参加の人は合奏のみの人が殆どだったが楽しそうに弾いていた。
今回は前回弾きたいと思っていたのにコロナで参加出来なくなってしまい実現しなかった曲も採用されたのでピアノの人が一人で何曲も弾いて、参加者数の割りに曲数が多くなった。そのため初日のレッスンは朝10時に始まり、講師はお昼ご飯はどうにか食べることができたが、夜ご飯抜きでぶっ通し夜の10時まで続いた。2日目は朝から詰めてレッスンできたので(初日は東京などから来る人のために到着時間に合わせてレッスンを組まなければならないので)それほど遅くはならなかったが長時間のレッスンとなり、反省点の一つ。
食事係は宏二郎と藍、それに陽子は今回演奏がなかったので係に加わる。昨年、宏二郎は演奏もあって忙しかったが、今回は料理だけに専念、それも食についてこだわりがあるので、サンドイッチのパンも100個以上自分で焼き、マヨネーズもドレッシングも、サンドイッチに挟むハムもお好み焼きの紅ショウガも全部自分で作り、添加物の無い食生活をという強い思いは伝わったかな。藤生の魚市場の改修工事が始まって今年中には立派な施設が出来そうだが、それに先立って業者だけでなく個人にも販売してくれるようになり、バーベキューの素材の購入にはだいぶ助かった。
5日の散歩がてらのコンサートは午後1時半から由宇文化会館にて。入場料500円。4日にKRYの取材が入り夜6時からのニュースで放映してくれたようだがそれを見て来てくれた人も何人かいたかもしれない。大人も子供も緊張しながら本番は特別な体験。コンサートは4時間にも及び、お客様には少々疲れるプログラムだった。お客様の中にはミュージックキャンプが22年前に始まった時の受講生のご両親もいた。その受講生は当時小学4年生だったがこの度結婚されたとの事だった。初回の受講生が今回子供と一緒に参加するという事もあり、世代を重ねてこの会は続いていくのかもしれない。

白と赤のウツギが美しく咲いた。

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合奏のレッスン風景
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京大に入った望君が久しぶりに参加


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KRYの取材が入る

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朝食は近所の人たちが作ってくれる。この3升いっぺんに焚いたご飯が美味しくて毎回参加者の間で大好評
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クレソンのサラダ、これは近くの川に晴香と石井が採りにいった
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2日に藤生の魚市場に買い出し
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宏二郎は100個以上のパンを前日までに焼く

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このコンビノスという貝が大変おいしかった
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お肉もたっぷり。ラム肉が好評だったとか
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スペアリブ
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陽子も今回は料理の助っ人
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合奏の会場練習
合奏 ミカンの花咲く丘
本番
ほのかと絢
ほのかと絢香と秀太郎
ハンガリー舞曲
一青はハンガリー舞曲に挑戦
びっくりシンフォニー
絢香はびっくりシンフォニーを江波弘介君と秀太郎とで演奏
メンデルスゾーントリオ
最後は講師三人でメンデルスゾーンのトリオ2番の4楽章

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