毎年恒例のミュージックキャンプ宇部が開催された。
9月19日と20日は俵田邸とふれあいセンターにてレッスンが行われ、21日午後2時から宇部市の日立建設ミーティングホールにて演奏会が開かれた。参加者は当初24人だったが東京から来る予定だった4人が直前になって不参加になってしまったので最終的には山口県内の20人のみとなった。そのうち二人はキャンプ常連の参加者の子供5歳の男の子。初参加。小学生や中学生は今回参加がなかった。2012年に始めたこの企画だが昨年の参加者は36人だったことを考えると、やはりコロナで不参加を決めた人も多かったという事だろう。
演奏する曲目はドビュッシーのピアノ三重奏曲やクレンゲルのチェロカルテット、バッハの無伴奏ヴァイオリンソナタなど15曲。それに最後に講師の石井啓一郎と桜庭茂樹、石井啓子でベートーヴェンのピアノ三重奏曲「大公」の1楽章を演奏した。
コロナ対策でレッスンの時の検温、消毒、マスクなど、また入室する時には健康状態や連絡先などのチェックメモも書いてもらった。演奏会場は日立建設の社長さんがどうぞどうぞと好意的で大変助かった。検温の機器も設置してくれていた。でも新聞やテレビで告知はされていたが、関係者以外のお客さんはいなくてこじんまりとした演奏会だった。しかし、久しぶりの生の演奏に演奏者もお客さんも、また不思議な事にホール自体も、大変生き生きとし、明日からの糧になったような感じだった。
ミュージックキャンプは名前のように、ただ音楽のすばらしさを体験するだけではなく、夜は講師や参加者の宿泊先である宇部ときわ湖畔ユースホステルにてバーベキューやお酒も用意され、参加者がいろいろな話をぶつけ合う場でもあったのだが、今回はそれもなく、ただ21日の終演後はひそやかに何人かがユースホステルに集まり、遅くまで盛り上がった。
このユースホステルもコロナの影響で客足が遠のき、一時は閉鎖との話もあったが、管理人さんの努力で何とか続けていけることになって、来年もいつものようにミュージックキャンプは開催できそうだ。本当にほっとした。

宇部から岩国への帰路、田んぼの畦道には彼岸花が咲き、赤とんぼが舞っていた。

ミュージックキャンプ宇部2020-1
俵田寛夫氏が見守る中でレッスンが始まった。
ミュージックキャンプ宇部2020-2
宇部にはチェロを弾く人が多い。このたび取り組んだのはチェロカルテット。
桜庭先生の的確な指導がみんなを引っ張る。
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初参加の男の子。ピアノを弾いているのがお母さん。
ミュージックキャンプ宇部2020-4
こちらも初参加の男の子。チェロを弾いているのがお母さん。
ミュージックキャンプ宇部2020-5
参加者が少なかったので無伴奏の曲も。
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ミオーの2本のヴァイオリンとピアノのためのソナタ。とても良かった。
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チェロカルテットの本番
ミュージックキャンプ宇部2020-8
お客さんはまばらだったが熱心に聴いてくださった。
ミュージックキャンプ宇部2020-9
先日の台風で看板が飛んでしまったユースホステル。古いのでいろいろと痛んでいるところもある。
ミュージックキャンプ宇部2020-10
しかし、常盤湖を臨むこの環境と、音楽を夜中まで練習できることが参加者には好評だ。