2018年07月

先日、宇部好楽協会の人と打ち合わせをして、9月30日の演奏会の詳細が決まってきた。
当日のプログラムには1953年の演奏会のチラシのコピーが挟み込まれることになった。黄色っぽいそのチラシは時代を感じさせる。
入場料は指定席900円で自由席が600円。当時は蕎麦が一皿15円の時代だから、今だと5万円相当か。民間人には高いので、8月9月10月の3か月の分割振り込みでも良いとあるのは面白い。ティボーは当時もう73歳という高齢であったにもかかわらず、欧米でも大変な人気で、当時はホールが少なかったので大阪以西は宇部のみの開催だった。九州や鳥取、岡山など遠方からも来る人が見込まれ、「新聞発表されると申し込みが殺到するので早く申し込んで下さい。」と宇部好楽協会の会報に注意書きがあった。

練習も始めている。
フランクのソナタは弾いたことがあるのでまだ良いのだが、モーツァルトのコンチェルトに手こずっている。当時はコンチェルトをリサイタルで取り上げることは珍しくなかったが、今ではそれは学校の試験などで弾くくらいで、私は人前で弾いたことがなかった。とても弾きにくい箇所があり、こんな音型は弦楽器だったら簡単なのにと、フーフー汗をかきながら練習している。ティボーのお相手は誰だったのかと当時のチラシをよくよく見てもピアニストの名前がどこにもない!!!  フランスから誰かを連れてきたと思うのだが。

それにしても多くのファンが10月1日の渡辺翁記念会館での演奏会を楽しみにしていたのに、これだけの巨匠の最後が日本へ来る途中の飛行機事故だったとは!宇部好楽協会の会長、俵田寛夫氏は、
「出張上京中、突然読売新聞から電話があってティボーの死を知った。世界の音楽界にとって大変な損失である。」
と新聞の追悼文に書いている。「巨星墜つ」という感じでショックだったに違いない。
65年ぶりに甦る曲の数々を石井はティボーのようには弾けないが、集まって下さった方々に石井節を楽しんでいただけるよう頑張ろう。

ティボーチラシ
当時のチラシ

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thibaud



6月23日(土)から7月1日(日)までの9日間、宏樹庵と幸明館にて宏二郎展が開催された。
宏樹庵に14点、幸明館には22点の絵が展示された。その中には、私の母の書に宏二郎が絵を添えた5点のコラボ作品もあった。昨年11月に豊岡市で開催された「墨と彩の響流展」の時制作された作品で、蕪村の新年、春、夏、秋、冬の句のかなの書に水絵具が優しい。
今回のテーマは「気」。チラシに印刷された幅160センチの林の絵の中にも「気」が感じられる。どこの林かは解らない。宏二郎の説によると、観るそれぞれの人の持つイメージで想いを膨らませて絵は完成するのだそうだ。蛍の絵も何点かあった。はかない蛍の光と夜空の星の光が混然となって美しい。

初日、展覧時間が終わった午後5時から宏樹庵にてオープニングパーティが開かれた。
啓一郎啓子による愛の挨拶やチゴイネルワイゼンなどの演奏があり、その後、集まった30人ほどのお客様は絵をもう一度見直したりして、6時過ぎから手料理で宴会。F夫人のいつもの岩国寿司や、T夫人のゴマ豆腐も並んだ。周防大島で作られているトマトやパプリカなどもたくさん寄せられた。シシ肉のシチューも好評。お酒もビールもどんどん無くなった。外では篝火や小径のろうそくが夜を彩る。

6月30日(土)には九州の波佐見からお客様が7人、車で来訪。ゆっくりお茶を飲みながら歓談し、宏二郎はこの家で結婚式を挙げたことなども話した。今年1月の佐賀での私たちのコンサートに来られた方が中心で、夜の交流会では来年10月半ばの波佐見でのコンサートが決まった。まだ1年以上先なので、波佐見だけではなく、久留米や唐津などでもコンサートができたらと思っている。ブログを見た方からお気軽にコメントいただけたら嬉しいです。

梅雨の時期の開催は初めてだった。いつも桜の咲く頃だったので、散歩の途中に寄ってみたという人がいたり、訪れる人は多かったが、今回は雨で一日中誰も来なかった日もあった。しかし新聞に載ってからは、毎日少しずつ来て下さるようになり、「すごく良かったから、是非行ってみなさい。」と友達に言われて来ました、という方もいた。

何とか無事(?)に終えることが出来て、感謝。

宏二郎展2018
蛍と星


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オープニングパーティで演奏
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小径のろうそく
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篝火
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波佐見からのお客様
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宏二郎と。
宏二郎展2018 その1
祖母と孫のコラボ作品
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紅葉も宏樹庵の?
宏二郎展2018その2
今回のメイン








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