立冬だというのにガラス拭きをしていると汗をかくほどだった。
池の端の紅葉もまだ全然色づいていない。
事務室の障子2枚を張替えて部屋も片付けた。ここに東京にある私の楽譜が来る。その他東京の事務室にあるおびただしい数の書類のための棚をナフコに見に行った。背の高さより高い所の物を取るための踏み台を買った。
レコードプレーヤーが東京の電器やから届いた。
組み立てたり配線したりするのに少し手間がかかったが、うまく出来て、初めてレコードをかけてみた時のうれしかったこと!たまたまハイフェッツが弾いているコルンゴルトのヴァイオリン協奏曲を見つけて聞いてみた。何と魅惑的な曲だろう。もっとみんなが弾けばいいのに!
レコードを収納する棚もナフコで探したが、適当な物はなく、ネットでも探したが、大きさ、色など気に入ったものが見つからなかったので、久良さんに棚を作ってもらうことにした。久良さんには、洗面所の吊り棚も頼んだ。
ピアノ運送屋に来てもらって、どうやってピアノを運び込むか下見をしてもらった。まず入り口の小径は運送屋のトラックは大きすぎて入れないそうだ。小径からはレッカー車で運び、建物の中は通らず、クレーンで2階の窓から入れることになった。とにかく2階にピアノをなんとか入れることができそうで一安心。
物がいろいろ入る前に畳の表替えもしたい。
宏樹庵の畳を作ってくれたのは昔ながらの職人だった。藤重さんが使っている畳屋を紹介してくれるように頼んだが、この家を建ててくれた宮本さんは畳屋のことを覚えているだろうか。
垣根は宏二郎が設計して藤重さん達が作ってくれたものだ。6年経ってずいぶん痛んだ。これもいずれ新しく作らなければ。
今回、その垣根の外側に水仙を植えた。小平の庭にあったものだ。水仙は動き出したくてうずうずしていたかのように、植えた翌日雨が降るとみんなすぐに芽を出した。あっと言う間に4センチほど伸びたのもある。
お風呂場の手前の袖垣は弟子達が作った。一番年長の彩子ちゃんを頭に、細い竹の枝をたくさん集めて作った。思い出がたくさん詰まっている。あのメンバーはほとんど結婚してお母さんになった。でも10年。ついに袖垣は朽ちて倒れた。

新しい生活が始まろうとしている。


紅葉
水面に映る紅葉はまだ緑


水仙
芽を出した水仙


つわぶき
垣根を彩るつわぶき



とうとう袖垣は倒れた