1月19日の朝、清流新岩国から電車に乗った。
かねてから依頼のあった本郷町にある中学校と小学校複合学校での演奏会。
このきっかけとなったのは4月23日の中国新聞の記事。「教育」というコラムで石井は音楽はミサイルや戦車のように強くはないが、何か大きな力がある。それを信じて里山や離島など普段はなかなか生の音楽に接することができない地域にも音楽を届けたいと述べた。それを読んだ学校の先生から即座にうちに電話がかかってきた。うちの学校でも演奏してもらえないだろうかと。小さな里山の学校。石井はすぐに行くことにした。日にちは来年の1月19日と言う。ずいぶん先の話だと思ったが、何か一年の行事があるらしかった。
秋が終わる頃、改めて学校から電話があった。暮から具体的にプログラムの事など取り決めて、何回か打ち合わせがあり、前日にも電話があった。期待感があふれる様子だった。

河山という駅で電車を降りると教頭先生が待っていた。そこから車で20分ほど。
もともとはここには代官所があり街道筋だった本郷町も今は人口減少で、子供も少ない。小学1年生は今年はゼロだったそうだ。隣り合わせの中学校と小学校の子供たち合わせても30人くらい。ここではかなり昔から県外の子供たちを寮で預かって勉強させる取り組みが有名で、良い評価を得ている。その子供たちを加えて、この数だ。今から33,4年前に建った学校の建物は人数の割りに立派だった。

10時半から15分の休憩をはさんで12時までの演奏会。プログラムは愛の挨拶に始まってフランクのソナタ、外山雄三の七つの山口民謡より2曲。サラサーテのサパテアード、チゴイネルワイゼンなど。
とても熱心に聴いてくれた。
ヴァイオリンてこんなにいろいろな音が出せるんだと初めて思ったようだった。弓の毛が落ちたのを拾って大事そうにポケットに入れる男の子もいた。
それぞれの子供たちの心に何かいつまでも残るものがあったらうれしい。

晴れて山の空気が美味しかった。

清流新岩国駅
画像が悪くて見えにくいが、清流線の各駅には毛筆で書かれた駅名がかけられている。
かなり力のある書道家が書いたように思える。

今日はこれで
電車が来ました。8時46分新岩国発。これを逃すと10時過ぎまで電車は来ません。

本郷小での演奏会
演奏会には子供たちのほかに先生や地域の方たちも参加。