1月9日、10時ころホテルを出て、今日は竹原の古い街並みを散策してお蕎麦を食べようと計画していた。

フェリーから降りてナビの通りに進んで行くと、石畳の狭い道に入り込んで、駐車場も有りそうになくて困った。
仕方なく誰かの家の場所と思われるスペースに車を停めて、近くの小さな展示場の受付の人に車を停める所を聞いた。道の駅まで戻ると良いと教えられ、やれやれやっと安心した。
石畳の道の両側に古い木造の家が立ち並び、なるほど歴史を感じることが出来た。そして観光案内のパンフレットに載っていた酒蔵で蕎麦を作っている所をやっと探し当てて来たものの、今日は何と臨時休業だとの事。仕方なく、ここに来るまでに横目で見た蕎麦屋に入ってみた。
椅子が10余りしかない狭い店。60くらいの主人が一人でやっていた。先客は3人。主人は少々お待ち下さいと言っただけで水もおしぼりも出てこない。先客に天ぷらを供した後、やっと注文を取りに来た。辛味大根のおろしそば二つ。
待つこと30分。
店の片隅に6弦のヴィオラ・ダ・ガンバやリコーダーの古い楽器などが並べてあった。
BGMにはシュトラウスが流れていて、お正月だからこの曲なのかしらと石井と話していた。
お蕎麦は美味しかった。
帰り際、支払いを済ませて石井がちょっと楽器のことを主人に聞いてみると、なんとその主人は熊本出身だが、岩国に40年ほど前に住んでいて日本フィルを呼ぶ手伝いをしていたとの事!!! 住んでいたのは4年と言うが、藤生という駅も知っていて大変懐かしがっていた。日本フィルで新世界やベートーヴェンの第九も聞いたと。
何という奇遇! 酒蔵の蕎麦屋が開いていたらここには来なくて、ずっと出逢いはなかっただろう。
また来ますと約束して店を出た。
店の看板の所には私たちにお蕎麦を出したあと、売り切れですとの表示が出してあった。

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器にも凝っているようだった。
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営業時間は16時までなのに今日はもう売り切れ。