石井啓一郎ヴァイオリンリサイタル2018チラシ表 (1)
6月7日京都、11日宇部、13日東京でのリサイタルが終わった。
シューマンのロマンスから始まり、シューマンのソナタで終わるという濃厚なロマン派のプログラムだが、その間に挟まっているのはスペインの民族色の濃いファリャのスペイン舞曲やニンのスペイン組曲。更に今回は久しぶりに無伴奏でエネスコのルーマニア舞曲。これは10分くらいの曲だが、エネスコ独特の歌いまわしを石井は楽譜も見ずに自らの体からあふれ出るような演奏で聴衆を魅了した。シューマンのロマンスに続くプログラム2曲目のモーツァルトのソナタには通常は入れない長々と続くピアノのカデンツを入れた。誰も弾いたことのない石井啓子オリジナルのカデンツでこれも好評だった。石井の愛器ガリアーノは今回大変状態が良く、よく響いていた。一時の病気が嘘のようだった。微妙な調整のお陰と思う。

「手術をしてから一層元気になったようだね。」との声もあった。
手術は2014年1月。それまでは頑なに不要としていた携帯電話をようやく購入して入院したが、公衆電話で私に電話してきて、携帯電話がどこに行っちゃったか分からないので電話してくれと言う。電話したら何と自分が履いていたスリッパの中に入っていた!!! そのくらい足の感覚がなかった。
手術は首の骨を削る8時間もかかる大手術で、今も首に金具が入っている。でも、そのお陰で今も元気に弾き続けることが出来ている。いつまで引き続けるか・・・尊敬する師匠ミルシュタインが最後の演奏会を開いたのは84歳の時。完璧なライブ録音が残されている。
34539382_2308570239370063_7383683290227539968_n[1]
京都でのリサイタルを終えてロビーで。