3月4日(日)10回目の宏樹庵ディナーコンサートが開かれた。
開演は午後5時なのだが早い人は3時過ぎにもう来られてギャラリーに展示されている宏二郎の絵などをゆっくり鑑賞された。
今回は露天風呂のあるテラスまで見渡せるようにし、グランドピアノが入った2階を演奏会場として、前の方は座布団を敷き、後ろの方には椅子を置いて35席ほど用意した。3段に重なった梁が重厚な雰囲気をかもし出す。音も大変よく響いて、今までの1階のアップライトピアノでは表しきれなかった情感が出せるようになった。
事務局長の藤重博さんの挨拶で開演。ドヴォルザークのユーモレスクで始まり、モーツアルトのヴァイオリンとピアノのためのソナタKv377、ショパンのノクターン遺作、そしてフルートで春の海、荒城の月、ふるさと。ヴァイオリンの演奏に戻って愛の悲しみ、チゴイネルワイゼンと続いた。アンコールにはまたカナリアを披露し、拍手喝さいを浴びた。
6時に五橋酒造社長酒井佑さんの乾杯の音頭で宴会が始まる。
岩国寿司、蓮のお三杯、鯵の南蛮漬け、お刺身、ローストビーフなど11品目が所狭しと並べられ、暖かい大平がふるまわれた。朝から雨が降って寒い日だったので竹の筒でお燗をしたお酒が好まれたようだ。外のテントの下で薪をくべ、燗酒を用意していたスタッフに次々と注文が入って忙しかった。
庭のあちこちの竹灯籠に灯がともされ、雨にもかかわらず消えるどころか、濡れた地面に光が映っていつもに増して幻想的な景色だった。
通常の演奏会場とは違い、身近に演奏者の息遣いまで感じながら身体全体で音楽を味わうことのできるこのコンサート、また地元の野菜を化学調味料を使わず、昔ながらの手間暇かけて作るお料理の数々にいらした方は大変満足していらしたようだった。最後に帰られたお客様の後、時計を見るともう9時をだいぶ過ぎていた。


露天風呂
露天風呂

梅
庭の石碑のところの梅と玄関に活けた梅のコラボレーション

ディナーコンサート花
生け花は石井啓子の係り


竹灯籠
竹灯籠


竹灯籠
夜の竹灯籠


小道のろうそく
小径のろうそく

藤重さんの挨拶
藤重さんの挨拶

コンサート
演奏会

聴衆
聴き入るお客様

お土産
お土産に用意された柑橘類
(上から右回りにデコポン、紅八朔、八朔、青島、大津、はやか、真ん中はポンカン)

宏二郎展
宏二郎展

火群
宏二郎展のこの度のメイン作品「火群」

注*写真の一部は村夏至氏の提供


 2月7日に宏樹庵にピアノが入った。
長さ197センチ、重さ約350キロのピアノ。
東京の家を出たのが1月30日。2月4日にはもう岩国のピアノ運送会社に届いたそうだ。岩国のピアノ運送会社に東京から運ぶことを頼んだら3週間以上みてくださいと言われたので、別の運送会社に頼んで東京から岩国のピアノ運送会社まで運んでもらうことにした。料金は二重になるが良かった。

前の晩は大雨だった。雨音を聞きながら私は明日のピアノ運びは延期かと思っていた。しかし、朝になって雨は止んだ。

朝8時半過ぎにピアノ運送会社の人が来て、小径の一箇所、土砂が崩れているので削ってもいいかと問いに来た。道を拡げることから始まった。
宏樹庵に運び込むことを頼んだ地元のピアノ運送会社の人は何度も宏樹庵に足を運んで、どうやって運び込んだらいいかいろいろ考えたそうだ。
12月に見に来た時はレッカー車で運ぶと言っていたが、レッカー車は4トンもあってあの小径は耐えられないだろう。鉄板を敷こうか、どうしようか・・・

少し小さめのクレーン車はのろのろと注意深く入って来たが、運転していた人は緊張しただろう。クレーン車の通った跡を見ると山側ぎりぎりに車輪の跡がくっきり付いていた。とにかく小径の道幅は狭い。それが私達の気に入っているところなのだが。
クレーン車を庭の池の端ぎりぎりまで入れる。庭木など無く、そこまで入れることができて良かった。
それから小径の入り口に停めたトラックからピアノを降ろし、台車に載せて4人がかりで支えて押してクレーン車まで運ぶ。小径の入り口近くはかなりの傾斜があるのでピアノが倒れないように皆必死だった。宏樹庵の脇まで来るとあとは駐車場なのだが、砂利が敷いてあり、台車はのめり込んでまた一苦労。
2階の窓ガラスを全部取り外してピアノをクレーンで吊り上げる。
庇にクレーンが突っかえそうになったり、1階の屋根に一人が降りて下から体でピアノを支えたり・・・
何とか窓枠にピアノが収まって入れそうな体勢になった時はほっとした。

2階に鎮座したピアノは大変いい音で響く。
ディナーコンサートの時はまた新たな感動を呼ぶだろうなという予感がした。



注意深く小径を入ってくるクレーン車


のろのろと進む


宏樹庵に到着したクレーン車



クレーン車の通った跡



トラックからピアノを降ろす



台車に載せる



坂だから気をつけて!



4人で運ぶ



砂利に阻まれて断念、置き去りにされた台車



窓ガラスを外す



吊り上げ開始



部屋側からも引っ張る



もう少し




ピアノの下で支える人



やっと入った!


完成


 小径を出たら、
「おはようございます!」
と声をかけられた。
集合時間や場所など打ち合わせるまでもなく、自然に皆が集まって藤生駅に向かった。M氏に聞くと誰が参加するのか全然聞いてないとのこと。参加するはずの人がもしかしたら少し遅れるなどということは全然範ちゅうにないようで、人数確認もすることなく、藤生駅8時50分の電車に皆乗り込む。

今日は楽しみにしていた下関行き。

JRとホテルの提携旅プラン。びっくりしたのは新幹線に乗るのは初めてという人が何人もいたこと。移動手段はもっぱら車ということなのだろう。徳山までは在来線。海辺を走る在来線は車窓の景色が大変美しいのだが、今日は曇っていたので海に光がなく残念だった。徳山からの新幹線はトンネルばかりで何も見えない。昔は在来線どころか、皆歩いて行ったのだから途中のいろいろな物が目に入っただろうなと思った。
新下関10時56分着。
ホテルの迎えが来ていて皆バスに乗り込む。バスは下関市内を通り抜け、長府を通って関門橋を目の前にするホテルに到着。

お食事の前の1時間ほどはお風呂タイム。
ラドン温泉で、放射能の効能がたくさん書いてあった。
福島の原発事故の被爆で、日常の細かいことまで騒いでいる人がいるが、ここには線量計は無い。わざわざ放射線を浴びにやって来る。原発事故は人災だと思うしあってはならないことだった。しかし原発にはこういうことがあり得るのだ。どうしようもないゴミも出るし、もう原発に頼らないことを考えなくてはならない。しかし、今回の被爆に異常に反応している人はもう少し冷静になった方がいい。広島や長崎の被爆者たちはどうだったのか、核実験の被爆者はどうだったのか、事故の後処理をしている現場の人たちはどうなのかを考えた方がいい。

食事の時間が来て皆、大広間に集合。結局参加人数は20人。男性は3人だけで後はだいたいがオバサンだが、若い世代の女の子が二人加わったのが新鮮だった。
お料理はふぐのお刺身、ふぐ鍋、ふぐから揚げ、ふぐ雑炊などの他に、意外とステーキがおいしかったりした。一人一人のお膳にお料理が盛られているのも良い感じだった。
2時間のお食事時間はすぐに過ぎ、食べきれないほどだった。

帰りもまたJRを使っての帰宅。藤生に着いたのは18時過ぎ、もう夜の帳が降りていた。



ふぐのお刺身などが盛りだくさんに並ぶお膳


皆賑やかに楽しくいただく


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